第244話 あいさつ

文字数 1,052文字

 職場でこちらから挨拶をしても一向に挨拶が返ってこない人がいる。他に人がいる時は別として、一対一の時は絶対に返ってこない。私だって馬鹿ではないから解かる。ああ嫌われているんだなと。人が人を嫌うのには理由がある。単に生理的に気に食わないだけとか。生意気だからとか。自分のポジションを奪われそうだとか。仕事ができないからとか。色々だ。でも、それでも、個人的な見解を言わせてもらうなら、挨拶を返すべきだと思う。あなたとは色々上手くいかない点もある。でも、それでも、この時間、この空間では感情的にならずに、うまくいくようにお互いに気を配ろう。挨拶とはそのメタなメッセージなのだ。将棋や囲碁で勝っても負けても「有難うございました」という。それは次に対戦する時もお互い気持ちよく対戦しましょうというメッセージでもある。つまりは文化だ。学童を利用している小学生たちにも我々職員は「きちんと挨拶しようね。」と教える。その我々が挨拶できないのはちょっと文化的に恥ずかしい事だと思う。
 堀江貴文さんあたりに言わせれば、無駄な挨拶なんか省略して仕事だけやってりゃいいでしょ!という事になるかもしれない。でも、我々凡人は堀江さんの様にいきなりジャンプとはいかない。堀江さんのおっしゃることが理にかなっているのは解るが、そこまで至るのにホップ・ステップと段階を踏む必要がある。その意味でもやはり挨拶とは必要なコミュニケーションなのではないだろうか?国家間の外交だって、どんなに利害の不一致があろうと、そこは握手から始める。我々個人レベルでも同様の事が言えるのではないだろうか?
 少し話は飛躍するが、我々が幸せであるために、もしくは幸せになるために、自身を取り囲む人間関係が良好である必要がある。周囲にいる人たちと良好な人間関係が築けている事。それは幸せの必須条件だと思う。その為にも我々は身近な人を大切にしなければならない。家族、職場、友人それらの人たちと良好な人間関係をはぐくむ、その第一歩が挨拶なのではないだろうか?   
 挨拶をきちんとする事、こんな極々当たり前と教えられている事の背景にはちゃんと理由がある。よく、甲子園や高校サッカーの強豪校で“凡事徹底”という言葉が指導方針として語られる。無論、挨拶をしっかりする事はその初めの一歩だ。その意味がこのように段階を踏んで考えていくとよく解る。
 さて、そんなわけで、今日もこの拙い文章を読んでくださった皆さん
「いつも有難うございます。また、読んでやってください。ではまた!」
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