第211話 生き方改革

文字数 1,241文字

「働き方改革」が叫ばれる昨今。
この文章を読まれている皆さんの職場ではいかがでしょうか?
改革が進んでいる職場もあれば、そうでない職場もあることと思います。
突然ですが
一社会人として誤解を恐れずに言わせてもらいます。
この国には
「働き方改革」以前に「生き方改革」
が必要なのではないでしょうか?

1つ質問です。
正直、働くことは楽しい事でしょうか?
中には働くことが楽しく楽しくて仕方ないという人もいるかもしれませんが
多くの人にとって働くことは、生活の糧を得るため
「耐え忍ぶこと」
であるのが現実ではないでしょうか?
かくいう私もその一人です。

私が今いる職場はとても恵まれています。
それは嘘偽りのない事実です。
ただ仕事が面白いかというと・・・否。
それもまた嘘偽りのない事実なのです。

こういう本音を言えない空気
もう少し言うなら先程述べた
「耐え忍ぶこと」を美徳とする空気が
この国には蔓延しているのではないでしょうか?
いつのころからかは解りかねますが・・・(明治クーデタ頃から?富国強兵策の一環?)

2つ目の質問です
「耐え忍ぶこと」
の何がそれほどに美徳なのでしょうか?
心の上に刃を置く、と書いて「忍」という字が出来ます。
確かに、人生には耐えねばならないとき、忍ばねばならないときがあります。
しかし、それ自体が目的化してしまっては本末転倒もいいところです。
時として耐えるのは、忍ぶのは、
そのあとに待っている「楽しみ」の為ではないでしょうか?
もし「耐えること忍ぶこと」それ自体が楽しいとすれば
それは単なるマゾヒズムです。
個人の趣味嗜好を云々するつもりはありませんが
少なくとも私の採るところではありません。

3つ目の質問です。
人生は「こなす」為にあるのでしょうか?
それとも、
人生は「楽しむ」ためにあるのでしょうか?
 
私にとっても、というべきでしょうか?無論、後者です。
中には「こなすだけで精いっぱいだ」という方もいるかもしれません。
それでも何かしら楽しみは見つけられると思うのです。お金はなくとも。
私がこのブログをつづることに楽しみを見出しているように(笑)

そう、つまり「生き方改革」です。

人生を「耐え忍ぶ」対象から「喜び楽しむ」対象へのシフトチェンジ!

こういった根本的な意識改革ができて初めて
「働き方改革」が実現するのではないでしょうか?

そして、突き詰めて言えば「生き方改革」とは「逝き方改革」につながります。
イマヌエル・カントという哲学者は79歳で息を引き取る時、
ワインを水で薄めたものを飲み
「これでよい」
と述べたそうです。(『自分で考える勇気』御子柴善之著 岩波ジュニア文庫)
先の質問で言えばカントという人は、若干の語弊はありますが
「自他ともに楽しむ(幸福に生きる)為には?」という事を生涯かけて追及した人です。
超高齢化社会を目前にした日本にとって
彼の生き方に学ぶべき点は多いのではないでしょうか?
ただ、それはまた別の機会に。

この文章が、
この国の「生き方改革」ひいては「働き方改革」を進める一助になれば幸いです。
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