第43話  ヒマのススメ

文字数 1,016文字

 学生時代から私を知っている人なら迷わず賛同してくれると思うが、何を隠そう私の頭はカラッポだ。いや、正確にはカラッポではない。カラッポではないが「カラッポにしておきたい」とは常々思っている。どういうことか?
 
 予定をびっしりと埋めていつも忙しくしていたいという人がいる。今日は10:00から美容室に行って、その後100円均一で買い物して、帰宅したらお昼を用意して、その後14:00からバイトでバイト終わったら今度は飲み会に参加してetc.という具合に。
正直、私はこういうのが苦手だ。予定をびっしりと埋めて常に先のこと、先のことを考える。そういうのが下手で、下手で仕方ない。逆に年がら年中ボケーっとしていられるものならそれに越したことはない。
 
 頭の中をやるべき事で埋め尽くしてしまうと、必然的に自由に物事を考える事が出来なくなる。そして良いアイデアとか、新しい着眼点というのは常に頭がカラッポの状態、つまり自由な状態から生まれる。逆にせかせかと忙しくしながらいいアイデアが生まれた話なんて聞いたことがない。私にとって頭をカラッポにしておけるのは何にもまして得難い事なのだ。
 
 だからいわゆる“リア充”と言われる人たちを羨んだことはない。ヒマならヒマで一向にかまわない。無論ヒマを恥じる必要なんて全くない。ヒマなら好きなものを見て、好きなものを聞いて、好きなものを読んで、好きな事を考えて、それで結構幸せだ。

 そんな私をある人は「俺たち妄想族」と言う。無論「俺たち暴走族」をもじったものだ。俺たち妄想族。うん、悪くない(笑)。鼻歌だってできそうだ。♪妄想しよう♪そうしよう(笑)

 話しは戻るが、良いアイデア、新しい発想、斬新な切り口、どれも頭カラッポだからこそ生まれるものだ。その意味で心と頭にヒマって必要不可欠だし、“時間”が大切なのは言うまでもない。それこそAIやコンピューターに任せられることはどんどん任せてしまえばよい。事実ルーティンをこなすよりも、新しいアイデアを思いつく事の方がずっとずっと人間的だ。 

 残り半分の人生、どれだけの時間を“ヒマ”に当てられるか?これからの時代の“豊かさ”とは、忙しい毎日の中でどれだけお金を稼ぐか?よりも、お金はそこそこでいいから、どの様にヒマと向き合うか?ではないかと思う。

 そのためにも、いわゆるDXはもちろんの事、あこがれの週休4日制が実現しないかなぁ(笑)。などと思ったりするのだ。
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