第28話 笑顔循環型社会

文字数 673文字

 子供達の笑顔には中毒性がある。
 現在勤務している学童保育で日々子供たちと接するたびにそう思う。子ども達が笑顔で充実した放課後ライフを送れるようにと工夫したり頑張ったりしたらその分、子供たちは笑顔で応えてくれる。その笑顔を見るたびに「よしもっと頑張ろう」と思ってしまう。その意味で子供達の笑顔には中毒性があると言うわけだ。
思えば、高校教員をしていた時もこれと同じだった。「先生の授業面白いね」「先生の授業解りやすいね」と言う生徒たちの笑顔や声が聞きたくて授業の下調べや工夫に心を砕いた。こちらが頑張れば頑張るほど生徒はそれに答えてくれるし、こちらもその分また頑張った。ただ、今にして思うと、そこには一人で突っ走ってしまった感がぬぐえない。他の教員との間に軋轢を生む結果になってしまったのだ。若かった私にはそれが解らなかった。でも今は違う。同じ轍は踏まない。自分だけが突っ走ったのではいけないのだ。
 子供たちも、職員もみんなが笑顔で充実した学童ライフを送れるようでなければならない。その為にはどうすればよいか?そんなことを思案していたら、次のような考えが浮かんだ。
一人がみんなを笑顔にするのでもなければ、みんなが一人を笑顔にするのでもない。誰かを笑顔にしようと頑張る誰かがいて、その誰かを笑顔にしようと頑張る別の誰かがいて、その別の誰かを笑顔にしようと頑張るまた別の誰かがいる。そんな風に笑顔が循環していく社会。そんな社会っていいなと思う。
 これを指して「笑顔循環型社会」と命名する。この「笑顔循環型社会」を目指して、まずは足元から頑張ろうと思う。
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