第353話 酒

文字数 874文字

 突然だがうちの父はよく酒を飲む。私が350㎖のビールなり発泡酒なりを一日一缶飲む程度なのに対して、彼は日本酒を倍は飲む。それでいて肝臓のほうはいたって健康なのだからうらやましい。

 たまに私が日本酒を自費で買って飲んでいると、その父が言う。

「なんで俺よりいい酒を飲んでいるんだ?そんな高い酒を飲むのは贅沢だ。分不相応だ!」

 先日も私が「天狗舞」の一升瓶を買って帰ると、ここぞとばかりに文句を言う。確かに「天狗舞」は高い酒だ。私だって買おうかどうしようか20分は迷った。父の意見もそれなりにわかる気はする。若輩者の私が飲むには「いい酒」であることは確かだ。でも、でもやっぱりそれは少し違うと私は思う。何故なら父にとっての酒が必需品であるのに対し、私にとっての酒は嗜好品だからだ。父は酔うために飲んでいる。それに対し、私にとっての酒は違いを楽しむためのものなのだ。したがって大量には飲まない。一日にも飲む量はほんのお猪口に一杯か二杯程度だ。私が一升瓶を一本消費する間に、父は私より安価な日本酒を一升瓶2~3本は消費している。トータルで見れば、私のほうがお財布の面でも健康の面でも彼より上手に酒と付き合っていると言える。

 そんなわけで、今日、近くのスーパーへ行ってみると「大吟醸 越後五十嵐川 750㎖」が値引き後1500円で売っていたので、思わず購入してしまった。値引きのシールが二重に張られていた事から視るに、2度値引きされたらしい。定価がいくらかは知らないが、2度値引きされたものが750㎖で1500円だというのだから、もしかすると今までの人生で一番高い酒かもしれない。

 そして、その「人生で一番高い酒」を飲みながら、今キーボードを叩いている。あ~確かに美味い!買ってよかった(喜)

 さて、今年も残すところあと1日となりました。皆さんにとって2023年はどのような年でしたか?私のほうは明日(もう今日か!)もう1つ文章をアップできればと考えております。またその文章でお会いできれば幸いです。もう一回お伝えするかもしれませんが、とりあえずよいお年を!
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