第356話 【世界史を面白くする会】

文字数 1,084文字

 以前、私が世界史の教師をしていたと言うと、大概の人は「え~そうなんですか?世界史・・・。」と返答する。そこにはあまり肯定的なニュアンスはない。「世界史」の後の微妙な間がそれを物語っている。

 実際に聞いてみると、ほとんど全ての人から「世界史はつまらなかった。」という答えが返ってくる。まあ、それはそうだ。時系列に沿った年号、出来事、人名の暗記。それも力ずくの暗記。これでは私だってやる気が出ない。

 結果、社会人になってから学びなおす人が多いのもうなずける。「高校までは暗記でいいのだ。」と言う人もいるが、それでは手遅れもしくは二度手間ではないか?そう思うのは私だけだろうか?

 さて、この度、縁あって私は再び世界史を教える立場となった。せっかくだから今度は世界史の面白さを伝えたい。そんなわけで私はここに【世界史を面白くする会】を立ち上げる。

 会員は今のところ私一人だがそれだけに小回りが利く。まず、初めに改善したいのは「時系列に沿った」という点だ。ただ単にだらだらと前回の続きをするのではメリハリがない。一回一回のテーマを設けて、そのテーマに沿った授業をしてはどうか?例えば、古代ギリシアだったら、「理想の民主主義とは?」とか、古代ローマだったら「権力は集中すべきか?分散すべきか?」などがパッと浮かぶ。まず授業の冒頭にテーマを提示して生徒に考える機会を与える。そのうえで、そのテーマに肉薄する授業を展開する。

 そして、全体で一つの大テーマ「歴史を学ぶ意義とは?」を最初の授業の冒頭に掲げる。年度の終わりには、各自に400字以内でまとめてもらう。そんなことを漠然と考えている。

 もちろん
「でもそれでは、受験に対応できないのでは?」
という声もおありだろう。そのような不安に対しては次の言葉を持って答えに代えたい。
「人は面白ければ覚える!」
 私の知人が言っていたのだが「自分はポケモン150種すべて覚えていた。」と。それは意図的に覚えたのではなく、気づいたら覚えていたと。それは取りも直さずポケモンが好きだったからだと。ポケモンが面白かったからだと。そうなのだ。面白ければ人は自ずと覚えるものなのだ。無論ポケモン150種と世界史の暗記すべき総量では比べ物にならない。ただ、興味を持たなければ何も始まらない!まずは世界史面白い!という感動こそが必要なのではないか?そこに感動があれば後は自ずとついてくる。それが私の基本コンセプトだ。

 そのようなわけで、繰り返しになるが【世界史を面白くする会】をここに立ち上げる。興味がおありの方は是非、コメントください。お待ちしております。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み