第9話 ゆずれないもの

文字数 1,008文字

いいかいボーイズ&ガールズ
ハセッチの話をよく聞くんだ。難しいことは言わない。とにかく聞くんだ。
みんなにはゆずれないものってあるかい?
えっ、大好きなあの子はゆずれない?
なるほどそれも大事だな
でも今日の話はちょっと違うぞ
そう、ハセッチがみんなくらい、たしか小4の時
ハセッチはサッカーに夢中で毎日サッカーばかりしていた。
そのころハセッチはクラスで二番目にサッカーがうまかった。
ある日、クラスで一番サッカーの上手い友達がこう言った。
「ねえ、れん君、今日はうまい人だけ集めてチームつくろうよ!きっとおもしろいよ。」
もちろんそのチームにはハセッチ自身もふくまれる。
サッカーの上手い人ばかりでチームを作るんだ。
パスがつながって楽しいのは間違いない。

さてここでみんなに質問だ!
ハセッチは何と答えたと思う?
うん?なになに、その通り!
そう、ハセッチは断った。
「それは絶対ダメだ」と言ってゆずらなかった。
じゃあなぜハセッチはゆずらなかったんだろう?
うん?なになに、うまい方のチームに入れない人がかわいそうだから。
確かに、それもある。でもそれだけじゃない。
~わかった!ハセッチは「ずる」をしたくなかったんだ~
そう、そうなんだ!ハセッチは「ずる」をして勝ってもおもしろくない事を知ってたんだ!
多分ハセッチは勝ち負けよりももっと大事なものがあるってことに気づいてたんだ!
そして、それがハセッチにとってゆずれないものだったんだ!
すごいね!そのころのハセッチ!かがやいてたね!まさに人生のピーク!
えっ?今はどうなのかって?よくぞ聞いてくれた。
今のハセッチときたら別の意味ですごいよ。
あっちでいい顔。(ゴマすり!)
こっちでいい顔。(ヨイショ!)
言いたいことの1つも言えやしない。
情けないったらありゃしない。
えっ、いつからそうなっちゃったのかって?
それを聞くなよ!ハセッチにもいろいろあったのさ!
でもね!でもまだハセッチはあきらめてないよ!
まだまだこれからだって思ってる!
みんなはどう?
みんなにはゆずれないものってある?
勝ち負けよりも大切なものってある?
みんなにとって“それ”が何なのか?
ハセッチにはわからない。
でもね、“それ”が何であれ、簡単にゆずってはいけない!
何故なら“それ”は自分自身に他ならないから。
えっ言ってることがよくわからないって?
そこは宿題だ!よ~く考えてごらん!
今日のハセッチのお話はここまで!
ではまた!

PS.ハセッチを超えていけ!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み