第34話 幸せへの近道

文字数 1,622文字

さあ、ボーイズ&ガールズ今日は「幸せ」について話をするよ!
聞きたい?
 「わー聞きたい、聞きたい!(笑)!」
「幸せ」と言うとちょっと抽象的(難しい)テーマなので、まずは解りやすい所から。みんな今欲しいものってある?
 「任天堂スイッチの新しいソフト!」
 「鬼滅の刃の全巻」
 「スマホ」
 「油絵の道具一式」
 「カッコいい彼氏」
そうだね。いろいろあるよね。先生もみんなぐらいの頃欲しいものがたくさんあった。『ビックリマンチョコ』のシールや『ドラゴンクエスト』や『ミニ四駆』や新しいサッカーシューズや・・・。欲しいものはいっぱいあった。今にして思うと何であんなもの欲しかったんだろうって物もあった。『ドラゴンクエスト』ってそんなに面白かったか?って今でも思う。じゃあ聞くけど、みんなは何でさっき挙げてもらった物が欲しいの?
 「みんな持ってるから」
 「今超人気だから」
 「欲しい物は欲しいし!」
なるほど。欲しいものは欲しいか。そりゃそうだ。今「みんな持ってるから」、「超人気だから」と答えた人に聞くけど、みんな持っていると何で欲しいの?人気だとどうして欲しいの?
 「えっそんなの当り前じゃん!みんなもってりゃ欲しいよ!」
 「みんなとつながれるからだよ。」
みんなと繋がれるから。ふむふむ。では、『油絵の道具一式』って答えた~ちゃんは?
 「え~、絵描くの好きだから。」
好きか。うんそれ大事だね。じゃ、ちょっとこんなたとえ話をするよ。女子はもうちょっと大きくなるとお化粧(メイク)し始めると思うんだけど、最初はみんな下手なわけ。それがだんだんにうまくなっていく。何でか解る?
 「慣れでしょ。」
うんまあ慣れなんだけど・・・。どういう風に慣れてうまくなっていくかっていうと、あっ私はのっぺりとした顔をしているからシャドウ(影)を鼻のわきに塗った方がいいんだとか、私は凹凸のはっきりした顔だからシャドウは少なめで、目がちっちゃいからアイラインを濃くした方がいいとか、つまり自分の何が解ってくるかと言うと?
「顔の特徴?」
そうそう。それとか先生の友達はスニーカーが好きでいっぱい持っているんだけど、何でもいいってわけじゃない。その友達は足の甲が細くて細めのスニーカーしか合わないんだ。例えばパトリックってフランスのメーカーがあるんだけどこのパトリックのスニーカーは細く作ってあって俺の足に合うって言うんだよね。それとかニューバランスってメーカーでも996は合うけど574は合わないとかこだわりを持っているわけ。この二つの話に共通しているのは何だかわかる?
 「自分の特徴を解っているってこと?」
そう。自分に何が似合うか、何が似合わないか?自分が何が好きで何が嫌いか?大げさに言うと自分がどういう人間なのか解っているんだ。じゃあ、自分がどういう人間か解るためにはどうしたらいい?
 「みんなとの違いを見つければいい。」
そうなんだよね。さっき出てきた、みんなが持っているから、人気だから、初めはそれでいいと思うんだよ。みんなと繋がれるし、一緒になれるからね。でもそうやってみんなと交わっていく中で、だんだんに自分って何?ってことに目を向けて行かないといけない。すると自分がどういう人間なのかが解ってくる。そうすると?
 「本当に欲しいものが解ってくるんだ。」
そうなんだよね。いつまでたっても、みんなが欲しがっているからって自分もそれが欲しいでは「本当に欲しいもの」が見つからない気がする。そして、自分にとって「本当に欲しいもの」、「本当に必要な物」を見つける事が、もっと言うと「自分が何者かを知ること」が「幸せへの近道」のような気がするんだ。まあ、これは先生の個人的な意見だけどね。
「え~じゃあ先生は何が欲しいの?」
先生の欲しいもの?ありきたりだけどそりゃみんなの笑顔かな(笑)ハハハ。
 「先生に座布団一枚!」 
まあそんなわけで、今日の授業はここまで!

頭洗えよ!歯磨けよ!ではまた!
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