第291話 価値基準を創り出せ!

文字数 2,068文字

 今日、髪を切りに行った。そこでの美容師Hさん(その美容室の経営者。30代前半の男性)との会話がとても刺激的で面白かったので以下にその概要を述べたい。

 初めてHさんと会ったのはもう4~5年くらい昔。その頃、まだHさんは被雇用者で今とは別のお店で働いていた。そこで何度か切ってもらっていて私は「この美容師さんは何より腕が確かだし、専門の知識が深くて豊富だ。」と感心していた。そのHさんが独立して自分のお店を持つと聞いて、私は喜んでHさんについていった。それがかれこれ2~3年前の話。それ以来ずっと切ってもらっている。

 Hさんは釣りが好きで、サバイバルゲームが好きで、バイクも好きだ。中学の時、沼で鯉を吊り上げ、離す場所が無かったので学校のプールに離したら、先生にこっぴどく叱られたそうな、Hさんはその手の武勇伝が豊富だ。高校の時は柔道をやっていて、それとは別にギターも好きで友達のバンドから声をかけられたこともあるそうだ。でも、進路を考える時期が来たらそのギターを売って美容師の道具を買いそろえたそうな。そのギターも実は一流メーカーの壊れた中古を格安で買って自分で修理したそうだ。売った時は元値を上回ったと言うから凄い。つまりなんにでも没頭して突き詰めるタイプの人なのだ。頭の形とか、髪の生え際とか、つむじの流れとか、もちろん髪質とか、そう言う事を突き詰めて髪を切っている。いい仕事をするわけだ。

 初めてあった頃のHさんは髪を短くしていたのだが、最近は長くしている。「切る暇がないんですよ。」と笑いながら言うHさんに、「お仕事順調ってことで、いいじゃないですか!」と私が応じると、「必ずしも仕事に時間がかかることが良い事とは限らないんですよ。」とHさんは答えた。ここからは企業秘密という事で詳しくは書けないのだが、何でも海外から輸入する染料が最近の円安で高くなってしまって・・・。という事らしい。前回切ってもらった時、円安の話題が出たので、何故そんなに円の価値にこだわるのだろう?と不思議に思っていたがそういう事だったのだ。そこから話題は経済の話になって、何故今、円の価値が下がっているのか?何故、日本はいわゆる黒田バズーカを打ち続けるのか?国の借金ってどのくらいなのか?堀江貴文さんはどう考えているのか?そこから金融の話、生命保険の話、積み立てニーサの話、なぜ日本人はお金に関して学ばないのか?等々に話題は及んだ。私はHさんが非情に詳しいのに正直驚いて「Hさんすごいですね。詳しいですね!」と言うとHさんは「自分こういう風に(独立して)やっているんで、そう言う事にはやっぱ自然と詳しくなりますね。」との事。私が「日本人って勉強して、いい会社はいって、そこで勤めあげてって事ばかり習いますけど、実はそれって明治の富国強兵政策の刷り込みなんだって堀江貴文さんが言ってますね。」と言うと「そう、だから必ずしも勉強していい大学入って、ってばかりが価値観のすべてではないですよね!ドバイに住んでいる人って多くは不労所得で暮らしている。20代で1000万頑張ってためてそれをもとに運用して、出来るだけ早く悠々自適の生活を送る。そういう生き方や価値観だってあるんですよね。」
「そうそう私も親の世代は貯蓄していれば利子だけで充分増えたけど、今は100万円貯金しても100万100円にしかならない。それでは意味がない。我々は過去に誰かが作りだした価値基準の中で生きているわけで、それってその価値基準から一歩外に出て見たらいろんなものが見えてくるんですよね。」
「あ、それって海外行くのが一番早いですよ!」
「そうなんですよね!でもこの円安じゃあ・・・。」
「でも、今なら本読んだっていいし、YouTube見たっていいんですよ!それならネット環境さえ整っていればタダだし!」
「あ、私も中田敦彦のYouTube大学は見てるし、両学長の動画も観てますよ!あれって為になりますね!」

 そんな感じであっという間に時が過ぎていった。帰り際に預けていたアウターを出してもらったらHさんが「あっワークマンですね。イージスですね。これすっごいイイですよ。一番コスパがいい!実用的。」と言ってくれたので私は何だか嬉しくなってしまった。

 そんなわけで、今日はHさんからすごい刺激を貰った。情報は受ける時代から取りに行く時代に。価値観は過去に作られたものの中から脱却して、新たに作り出す時代になって来たのかもしれない。もっとも一部の人はとうの昔から解っていた事かもしれないが・・・。またYouTubeって使いようによっては凄く有難いものになる。ゲームの実況ばかり見ている子供達に教えてやりたい。今後も私のテレビ離れは進みそうだ。情報は取りに行く時代なのだ。

 皆さんはどうだろうか?つくられた価値基準の中で人生が終わってしまは無いよう、出来れば海外に!、それが出来なければ本を読んで、私のように本の値段が高く感じるならばYouTubeを!自分なりの価値基準を創り出しましょう。ではまた!

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