第221話 ちっぽけな

文字数 593文字

今日、職場の喫煙室で
キットカットを食べていたら
私より十ほど若い男性と二人になった。
たまに一緒になるこの人に
何気なく
「ソフトボール大会出ますか?」
と聞いてみると
「出ます。」
との事。
「~さんは?」
と聞かれたので
ソフトボールの苦手な私は
「私は野球とかソフトとか全然ダメなんで・・・」
と答えると、その方は
「私だってやったことありませんよ、全然。でも出ますよ!」
と少し語気を荒げた。
その場はそれとなく別れたのだが、
後になって反芻した。

みんなで何かを盛り上げていこうという時に
自分がいいかっこできないからという理由で
参加しないというのは
我ながらなんとかっこ悪いことか
「自分ちっぽけだな。」
と、深く恥じ入った。
実際に参加するかというと
したらしたで立場的にも年齢的にも
気を使うし、気を使われるので
参加はしないつもりだが、
それとは別に、
今回大いに学ぶところがあった。
私より十ほど若いその方は
私に対して真摯に正直に対応してくれた。
そんなことしても彼には一文の得にもならないのにだ。
この年になると誰かに本音で何かを言ってもらえる事は稀だ。
距離を置かれたり、見限られたりするのが大概だ。
その意味で本当に有難かった。

また、人はいくつになっても、
相手が自分より年がいくつ下であっても
人から学ぶことができる。
それを実感した。

今日学んだ事と
「自分ちっぽけだな」
というこの気持ちを
心のどっかに置いて
やっていこうと思った。
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