第78話 雑談

文字数 907文字

 雑談が苦手だ。
 現在勤務している学童では、掃除をしてから子供たちが帰ってくるまで、どうしても時間に空きができてしまう。その時間を職員同士で仕事上の情報交換に当てている。つまり雑談だ。この時間がどうも私は苦手だ。話すネタがない。私はどうも雑談の為の雑談、若しくはどうでもいい話というのが根本的に苦手らしい。話をしていれば、その人の事をより深く知りたいと思うし、もっと本質的な話をしたいと思ってしまう。でもそういうのは雑談には求められていない。雑談に求められるのは当たり障りのない話だ。本質的な話となると、そこには上下関係がもちろんあるし、背負っているものや、バックグラウンドの違いもある。そういう“他人同士”が誰も傷つけることなしに、しかも愚痴にならない話題。となると本質的な話というのはなかなかできない。その意味で、どうでもいい話、当たり障りのない話が求められているのだが・・・。こいつが難しい。
昔(学生時代)はそんな事なかった。同じ研究室の人のなら同学年は
「どうよ?最近どうよ?」で通じたし、
もしくは先輩でも
「どうですか~さん?最近どうですか?」
で通じた。
相手は多くの場合笑いながら
「どうって別に普通だよ(笑)。」
とか
「どうもこうも、そもそも昨日会ったばっかじゃん(笑)。」
と返してくれた。
それがいつの間にか、何をしゃべればよいか考えているうちに何もしゃべれなくなってしまった。困った話だ。そこでと言うわけではないが、以前から見ようと思っていた「中田敦彦さんのYouTube大学」で『一流の雑談力』の回を見た。それによると何でも「話かけられるのを待っているのは3流なのだそうだ。「あっ俺って3流の雑談力か、我ながら情けない。」と思った次第だ。動画を観てわかったのだが、中田さん御自身も雑談が苦手だとの事。反対に相方の藤森さんはそれこそ「雑談の天才」だそうだ。どうも雑談に必要なのはIQよりも愛嬌(あいきょう)らしい(笑)。
 
 さて、そんな私でも子供たちと話すのは得意だ。そこに下手な気遣いや、遠慮が要らないからだろう。と、思っていたが、実は気遣いしてもらっているのは私の方かもしれない。みんなありがとね(感謝)
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