第298話 ジョーク

文字数 687文字

「あっH君がここにいる!」
『都道府県別 怖い話』(出版社は解りません)を読むとはなしに読んでいるH君が見ている挿絵の登場人物を指して私が言った。H君は
「じゃっ先生はこれだ。」
とお爺さんのキャラクターを指して言う。私は
「俺こんなに年食ってないよ(笑)」
と言い返す(笑)。いつもの学童での一コマだ。私は続けて
「ねぇH君、隣りの部屋の大きなテレビあるでしょ。みんなが帰った頃になるとあのテレビから人が出てくるんだよ。知ってた?」
H君は
「知ってるよ。Y先生でしょ?」
と切り返す。私は「よく解ったね(笑)。」
と答える。私は
「他にもM君とかはこの中に住んでいるんだよ。知ってた?」
と文房具の引き出しをそっと開けてみる。
「いるわけないじゃん!」
とH君が笑う。
少し離れた席では女子が2人で広瀬香美の『ロマンスの神様』を歌っている。私が
「ねぇH君。H君はロマンスの神様とトイレの神様どっちを信じる?」
と聞くと、H君は
「どっちも信じないよ。先生はトイレの神様でしょ?」
と聞いてくるから私は
「まあねぇ。トイレの神様は毎日お世話になっているけど、ロマンスの神様はめったに舞い降りないからなぁ~。」
と答える。私は
「そんな事より、H君はおやつの神様って知ってる?『神ひとすじ』とか書いてあるコスチューム来ているの。他にも『神ざんまい』とか『一生涯神』とか書いてあるの。超面白いよ!今度見せてあげるよ!」
と言うとH君は
「いいよ、どうせつまんないから。」
と答える。いいや、H君何でもかんでも頭から否定するのは良くないぞ!これを見給え。

こういうシュールなジョークが解るようになったら一人前だ。精進しろよH君!


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