第334話 力に屈したら・・・

文字数 1,185文字

 職場の学童の子供たち、主に男子の間では『ワンピース』(尾田栄一郎)が大人気だ。なぜこの作品がここまでの人気を博すのか?非常に興味がある。私自身は、エースが処刑されるところ、つまり物語の前半部分までは読んだ。その後、物語がどういう展開をしたのか興味は尽きない。ただ、あまりに長くなりすぎてちょっと手が出ないというのが正直なところだ。時間がある時に読んでみたい。

 さて、そのエースのセリフに以下のものがある。

「“力”に屈したら男に生まれた意味がねェだろう 。」

よくわかる。カッコいいセリフだ。こういうセリフに小学生男子はしびれるのだろう。ただこのセリフに我々がこれだけ強く惹きつけられるという事は、悲しいかな、裏を返せば如何に普段我々が力に屈しているか?という事の証明でもある。

 私はそれを恥ずかしいとは思わない。私だって「言う事聞かないと、お前んちに核弾頭落とすぞ!」と凄まれれば言う事を聞かざるを得ない。でも、でも大切なのはその後だ。力に屈した者が、今度は自分より弱い相手に対してどういう態度をとるか?やはり力で相手を屈服させる、もしくは力で相手を支配しようとするのではないか?要はいじめられっ子が今度は自分より弱い存在をいじめるのと何ら変わりがない。それではいけない!

 そして私の経験上、たやすく力に屈する者は、やはりたやすく力にものを言わせる。そういう傾向がある。私の最も忌むべき輩だ。醜いことこの上ない。

「だから」というべきなのかどうかわからないが、やはりそうそう簡単に力に屈してはいけないのだ。戦うべき時ってのが人生には確かにある。でもまあ、そうそう戦ってばかりもいられない。それとエースのセリフに女性は出てこなかったけど、女性だって簡単に力なんぞに屈してほしくはない。彼女らは正面から戦っても勝てる見込みはまずない。だから【したたか】にならねばならない。つまり力に屈したふりでもしちまえばよいのだ!面従腹背でも何でもよい。【したたか】で【しなやか】な女性というのが私は嫌いではない。

 さて、つらつらと述べてきたが、要するに何を言いたいかというと、私は力とか脅しとかそういう類のものが大嫌いだと。その意味でエースの

「“力”に屈したら男に生まれた意味がねェだろう 。」

というセリフに大賛成だ。同時に“力”でしか解決できないことが人生にはあることも承知している。でもそれは最後の最後の局面だ。何かで読んだことがある。力とは用いない事にこそ、意義があるのだと。

 大切なのは、正しいことを正しく行うこと。それができていればそうそう“力”など必要ないのだ。

 さて、この文章をお読みの皆さんは如何お考えですか?“力”正しく使えていますか?

 私?私の場合、腕力はともかく、【言葉の力】って奴を適切に用いなければなぁとはいつも思っています。いわく ~ペンは剣よりも~ ってね!
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