第226話 マンガと本

文字数 705文字

「漫画なんか読んでないで本を読め!」
と、言われて育ってきた。
この言葉の背景には
≪漫画のほうが本よりも文化的に劣る≫
という認識があってのことと思う。
本当にそうなのだろうか?考えてみた。
よく言われるのが
本のほうが文字で認識する分、情報量が多いし、想像力を働かせる。
だから本のほうが文化的に優れている。
という説だ。
確かにそうかもしれないが、それだったら「モナリザ」を美術館に展示する意味はなくなる。文章で「この絵は16世紀初頭、イタリアでレオナルド・ダ・ヴィンチという人により描かれ、中年女性の上半身がやや斜め正面から見た構図になっている。その女性は不思議な笑みを浮かべており云々。」
とでも描写して、あとは想像に任せればよいわけである。
極論すれば絵画の意味はなくなる。
絵画と漫画の絵では価値が異なると考える方もいるだろうが、
それは違うと思う。
(『漫勉』NHK)を見る限り、漫画家の先生方も身を削って絵を描いている。
魂のこもった絵だ。
それに映画という表現手段が文化的に認められているのに、
その原作となることが多々ある漫画が社会的に認められないのはおかしな話だ。
要は漫画にしろ小説(本)にしろエンターテイメントであるのなら問題になるのは
どれだけ読者の心を震わせたか、心に響いたかだ。
その表現形式が文字であれ、絵であれ、よいのではないだろうか?
漫画が海外で認められて(クールジャパン)初めて自国の人間がその価値に気づくというのは浮世絵が海外でその価値を認められたのと同じで、何か少し情けない感じがする。
自分の意志を持つためには自分に自信を持つことが必要なのだろうか?
ちなみに私は自分の自信のなさについては自信がある(笑)。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み