第4話 隼人(はやと)
文字数 394文字
「失礼しますぞ! いかがなされた!?」
そして伊織と桜花が飛び込んだ部屋の中では。
何かの液体や破片があちこちに飛び散り、惨憺たるありさま。その中にばつの悪そうな顔をして少年がひとり立っている。
「ああ、伊織。それに桜花どの」
いったい何事、とたずねかけて、伊織は呆れたように机の上を見た。
「また、錬金術とかいう南蛮の怪しげな学問をなさっていたのですか」
「うまくいくはずだったのだよ。この本に書いてある通りにやってみたのだけど、何がいけなかったのかなあ」
机に広げられた本を眺め、首をかしげて考えこむ少年の名は九条隼人 。
肩くらいまでの髪を簡単に首の後ろで結び、聡明そうな瞳が印象的だ。
伊織よりひとつ年下で、去年父を亡くし、若いながらも家督を継いだ身である。
そして伊織と桜花が飛び込んだ部屋の中では。
何かの液体や破片があちこちに飛び散り、惨憺たるありさま。その中にばつの悪そうな顔をして少年がひとり立っている。
「ああ、伊織。それに桜花どの」
いったい何事、とたずねかけて、伊織は呆れたように机の上を見た。
「また、錬金術とかいう南蛮の怪しげな学問をなさっていたのですか」
「うまくいくはずだったのだよ。この本に書いてある通りにやってみたのだけど、何がいけなかったのかなあ」
机に広げられた本を眺め、首をかしげて考えこむ少年の名は
肩くらいまでの髪を簡単に首の後ろで結び、聡明そうな瞳が印象的だ。
伊織よりひとつ年下で、去年父を亡くし、若いながらも家督を継いだ身である。