第32話 思案
文字数 372文字
意に沿わない縁組であることは充分に承知しているつもりだった。だからこそ姫を守ろうと国を出てついてきたのである。
しかし、藤音がここまで思いつめていたとは……。
殿を殺めようとした?
なのに何の咎 めもない?
本来ならその場で死罪になってもおかしくないのに、それどころか折々には花まで届けられてくる。
苛烈な戦乱の世を生き抜いてきた如月には信じがたい事実だった。いったい、あの年若い殿は何を考えているのだろう。
こめかみを押さえ、如月は慎重に思案した。
今、最も大事なのは藤音の身だ。
このままでは弱っていく一方で、命さえあやうい。
何とかせねば、と自分に言いきかせながら、如月は眉間にしわを寄せてひたすら考えこんでいた。
しかし、藤音がここまで思いつめていたとは……。
殿を殺めようとした?
なのに何の
本来ならその場で死罪になってもおかしくないのに、それどころか折々には花まで届けられてくる。
苛烈な戦乱の世を生き抜いてきた如月には信じがたい事実だった。いったい、あの年若い殿は何を考えているのだろう。
こめかみを押さえ、如月は慎重に思案した。
今、最も大事なのは藤音の身だ。
このままでは弱っていく一方で、命さえあやうい。
何とかせねば、と自分に言いきかせながら、如月は眉間にしわを寄せてひたすら考えこんでいた。