第49話 囚神

文字数 1,175文字

 我はフェート。

 運命と宿命の神。

 我はアルグリア13柱の1柱、《才能神》ジェミニ...その片割れ。

 我は...○Φ〆θ∵ζ☆■ё◇β◎Ы▲Э▽жл...囚われ、ここカツンパラデスの封印の洞窟に於いて片割れの相魂【カルマ】に祝福を与えん......。


 ふぁ~あ。

 うん? 何か大事なことを夢で見たような。

 ねえ? シス。

 僕今なにか夢見てたかな?

『覚えていないのなら、それは覚える必要が

ってことよ』

 そっか、おやすみ~。

 ずずず~。


 ふぁ~あ。

 良く寝た。

 昨日の夜は楽しかったな。

 皆で美味しいものを沢山食べた。

 流石、オルスカ王国主催の宴だ。

 王宮に泊まらせてもらったし、獣王陛下には感謝しかないな。


『おい、ビズ。朝飯食べようぜ!』

 うん、エクス解ったよ。

 エクスは食事をしなくてもお亡くなりにならないらしい。

 本当は魔素を吸い込むだけで、食べなくても良いんだって。

 でも食事をすると幸せな気持ちになるから好きなんだって、特に皆と一緒に食べるのが好きみたい。

 ふふふふふ。


「師よ。おはようございます。今日より宜しくお願いします」

 う~ん、誰だっけ? この人達? シス、知ってる?

『昨夜、ビズが弟子にした闘技会準優勝者とその部下よ』

 う~ん、僕覚えてないよ。

 え、お酒を飲み過ぎたって? 僕ジュースしか飲んでないよ? え、葡萄酒。

 あれって葡萄ジュースじゃあなかったの? そっか、これが二日酔いなのか。

 僕初めてだよ、記憶がなくなるって、恐ろしいね。

 今度から気を付けよう。

 でも、どうしようシス? 覚えてないって、凄く言いにくいよ!

『じゃあ断れば? その人達、凄くガッカリすると思うけど。ビズの好きなようにすれば良いんじゃない』

 え~。

 う~ん、う~ん、う~ん、良し! 仲間は多いに越したことはない。

 大は小を兼ねるって帝王学のキンダル先生も言ってたしね。

 それに僕にこんな沢山の仲間が出来るなんて、独りぼっちの時には思っても見なかった。

 これもシスのお陰だ、ありがとうシス。


「みんな! 次の目的地はデソロモア王国です。出発~!」

「「「「「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」」」」」

『おう、ビズ!』

「はい~、ビズ!」

「おいら初めて行く国だ~」

「良い男達に囲まれて、ここは桃源郷かしら~」


「.........」


 僕達総勢2000余名の一団は、一路デソロモア王国へと向かった。

 只、何故かレディだけは、僕に何か言いたそうな目で見ていたので、何? って聞いてみたら、こう言われた。

「家出の意味って知ってます?」

 
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