第46話 オルスカ王国

文字数 1,827文字

 へー、ここがビーストマンの国、オルスカ王国か~。

 なんか自然が一杯で空気? 雰囲気が凄く気持ち良い。

 ね? シス。

『そうね、流石大自然の野生の王国ね。あと私には匂いは解らないわビズ』

 あ、ごめん。そうだったね。

 落ち込む僕を励ますシス。

 ありがとう、シス。

『そんなことより、ビズ。

はどう?』

 大丈夫だと思う。

 後は実践かな?
 
『うふふふふふ』

 機嫌が良いシスに僕の機嫌も超ご機嫌だ。

 ふっふふ~ん♪


「只今より! オルスカ王国闘技会を開催します!」

 おお、凄い。

 なんかワクワクする。

 僕、こんなに沢山の人と一緒に遊ぶの始めてだ。

『おいビズ! お前なら軽く優勝だぜ!』

『ビズ、やり過ぎ注意ですよ~』

『おいらはビズを信じてるぜ!』

『あっあああああ。良い筋肉が一杯だわ❤』

「ビズ様~、殺り過ぎないで下さいよ~」

 皆が僕を応援してくれてる。

 初めてだ、誰かに応援されるのって。

 なんか良い、凄く良い、気持ち良い。

 よ~し! やってやるぞ、僕は皆の期待に応えるんだ!


「「「「「グッ、ガァハッ!」」」」」

 最初は数組に別れて数百人での生き残り戦だ。

 この闘技場の名前が、自然淘汰(ナチュラルセレクション)って言うんだ。

 まさに弱肉強食の自然の摂理だね。

 あ、あれ? 皆、僕が子供だから気を使ってくれてる? 

 凄い、強さを突き詰めていく人達って皆やっぱり凄い。

 人に対する思いやりが凄く、格好良い。

 でも、僕は遠慮しないよ。

 だって、僕には

があるからね。

 そう、僕とシス(僕達)の夢を叶えるんだ!


「グッ、ガッハァ!」

 虎のビーストマンさんが派手にブッ飛ぶ。

 え、えええええ。ちょっとやり過ぎじゃあ? 

 この人、演技が凄く大袈裟だ。

 でも、この派手さが闘技会(プロレス)の醍醐味なんだって、シスが言ってた。

 こう言うのが大好物な愛好家(マニア)が常々

んだって、う~ん。

 シス曰く、私の知識量は半端ない(プレイヤー数千万人分の経験)! うん、知ってるよ。

 シスが物知りさんだって、僕知ってるよ。

 う~ん。


「小僧! ここまで良く勝ち残った! だが俺は最強の武を受け継ぐレイ・ホウセン! ......」

 へー、最強の武~、凄そう。

 あ、この人多分、お猿さんのいた国の人だ。

 特徴のある武具だから、間違いない。

 へー、あの槍? ハルバード? え、方天画戟って言う武器なんだ。

 流石、シスだ。

 なんでも知っている物知りさんだ。


「グッ、ガッハァ!」

 え、あれ? 決勝戦だよね? 僕に華を持たせるなんて、この人良い人過ぎるよ? 

 それにやられ方の演技が凄く上手い。

 僕を睨み付けて、パタリと倒れる演技にはドキッとした。

 やっぱり皆、やられ方の練習もしてるんだろうな。

 僕も見倣おう。


「我は獣王! 強き者よ! 遠慮はいらん! 全力で掛かって来い!」

 流石、獣王陛下だ。

 僕がシスに言われて力を抑えてることを知っている。

 なら、遠慮は要らないね。
 
 反って、獣王陛下に失礼だ。

 僕、本気だすよ。


「グッ、ガッハァ!」

 え、えええええ。

 獣王陛下が自分から闘技場の壁に打つかり、凄く跳ね返った。

 なんかピクピクしている、大丈夫だよね?

『ビズ、注意したわよね? やり過ぎは駄目だって?』

 あ、ごめんなさい。

 獣王陛下が態と負けるだなんて、僕思わなかったんだ。

 だって、びゅーって飛んで、バーンって跳ね返ってピクピクって、獣王陛下って案外演技が下手なんだね。

 でも、やっぱり皆の

だ。

 流石、シス。

 ありがとう、シス。

 シスのお陰だ、

万歳だ!


『ビズ、良い? この世界の住人は武器ごとに動作は大体決まってるの。だから各武器種ごとの動作(モーション)を覚えるのよ! 大丈夫、寝ている間に勉強出来る取って置きのがあるから! なんたって、私の知識量は半端ない(プレイヤー数千万人の経験)のよ!』

 何故か見えないはずのフンす! と鼻息荒いシスが、両手を腰に当て、踏ん反り返る姿が僕には見えた。
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