第23話 世界樹の森
文字数 1,407文字
レディと一緒に旅をして3日後、漸く目的地《世界樹の森》に到着した。
何故かレディはボロボロだったけど、凄腕の間者なんだよね?
え? 普通はここまで1週間は掛かるって? 変なの3日で来れたのに文句を言うなんて、凄腕の間者だよね。
早く来れたのが悪いの? 違うよね、全くレディは凄腕の間者らしくない。
それに「殿下、考えるって言葉とその意味って知ってますか?」って僕に聞くんだ。
失礼な、僕はちゃんとシスと一緒に考えて行動してるよ。
ぷんぷんぷん。
もう本当に失礼な奴だ。
凄腕の間者なんて絶対嘘だ。
ぷんぷんぷん。
まあ、レディには目的地も教えずに魔物を倒し強くなるんだ、って
だから僕の行動が不思議で堪らない、と言うことだと思う。
だって、レディがなにか言いたそうにしてたけど、シスから多くは語るなと言われている。
だから、無視 だ。
「あれ? 俺なんか強くなった?」
レディはなにか道中ブツブツ言ってたけど、それはね。
おっと内緒、内緒。
教えないよ、僕。
シスから口止めされてるからね、仕方ないよね。
頭の中に浮かぶ地図を参考に2人で魔物を狩っていく。
『ぽ~ん♪ ...個体名《ビクトリアス・エルブリタニア》の個体レベルが上がりました!』
よし、よし! 順調に個体レベル上げができてるって、シスの機嫌が天元突破だ。
僕も気持ち良い。
『ぽ~ん♪ ...個体名《レディオス・ベクシス》の個体レベルが上がりました!』
お。レディも個体レベルが上がった。
うんうん。
良い感じ。あ。あれ?
シスの声って、レディに聞こえないの?
『私は、あなた の相棒 なのよ! ビズ以外に私の声は聞こえる訳ないじゃない』
何故か寂しそうに言う、シス。
そ、そっか。
ごめんなさい、シス。
僕は無性に悲しくなった。
シスも1人ぼっちだったんだね。
ぐすっ、だって僕と一緒だったから。
僕もいつも1人ぼっちだった。
でも、シスと出会った。
これからずっと僕と一緒だよ、シス。
『ビズ! 戦いに集中しなさい!』
ごめん、シス。
そして、ありがとうシス。
僕、絶対強くなる! あ! あれ? これって?
「ギャアアアアアオス!」
頭の中に浮かぶ地図で僕達に急接近して来る大きな鳥さん? 否、蜥蜴さん。
あれ? この名前は!
僕が魅入っていると、
「で、殿下! ひ、飛竜です! お逃げ下さい、ここは俺が囮に!」
凄く慌てたレディが、僕に叫ぶ。
でも、僕は怖くない。
怖くないんだ。
懐かしい、凄く懐かしい、そんな匂いが近付いて来る。
その懐かしい匂いは森の木々を物ともせずに僕達の前に降り立った。
「ち、違う。ぜ、絶対違う。う、嘘だ。嘘だぁぁぁぁあ!」
レディは半狂乱気味になにか叫んでる。
でも僕には聞こえない。
何故って? だって僕は知っている。
僕の前にいる大きな蜥蜴さんを、僕は知っている。
ぐすっ、ぐすっ、ぐすっ。
僕は泣きながら叫んだ!
「
そして、僕は
何故かレディはボロボロだったけど、凄腕の間者なんだよね?
え? 普通はここまで1週間は掛かるって? 変なの3日で来れたのに文句を言うなんて、凄腕の間者だよね。
早く来れたのが悪いの? 違うよね、全くレディは凄腕の間者らしくない。
それに「殿下、考えるって言葉とその意味って知ってますか?」って僕に聞くんだ。
失礼な、僕はちゃんとシスと一緒に考えて行動してるよ。
ぷんぷんぷん。
もう本当に失礼な奴だ。
凄腕の間者なんて絶対嘘だ。
ぷんぷんぷん。
まあ、レディには目的地も教えずに魔物を倒し強くなるんだ、って
だけ
伝えている。だから僕の行動が不思議で堪らない、と言うことだと思う。
だって、レディがなにか言いたそうにしてたけど、シスから多くは語るなと言われている。
だから、
「あれ? 俺なんか強くなった?」
レディはなにか道中ブツブツ言ってたけど、それはね。
おっと内緒、内緒。
教えないよ、僕。
シスから口止めされてるからね、仕方ないよね。
頭の中に浮かぶ地図を参考に2人で魔物を狩っていく。
『ぽ~ん♪ ...個体名《ビクトリアス・エルブリタニア》の個体レベルが上がりました!』
よし、よし! 順調に個体レベル上げができてるって、シスの機嫌が天元突破だ。
僕も気持ち良い。
『ぽ~ん♪ ...個体名《レディオス・ベクシス》の個体レベルが上がりました!』
お。レディも個体レベルが上がった。
うんうん。
良い感じ。あ。あれ?
シスの声って、レディに聞こえないの?
『私は、
何故か寂しそうに言う、シス。
そ、そっか。
ごめんなさい、シス。
僕は無性に悲しくなった。
シスも1人ぼっちだったんだね。
ぐすっ、だって僕と一緒だったから。
僕もいつも1人ぼっちだった。
でも、シスと出会った。
これからずっと僕と一緒だよ、シス。
『ビズ! 戦いに集中しなさい!』
ごめん、シス。
そして、ありがとうシス。
僕、絶対強くなる! あ! あれ? これって?
「ギャアアアアアオス!」
頭の中に浮かぶ地図で僕達に急接近して来る大きな鳥さん? 否、蜥蜴さん。
あれ? この名前は!
僕が魅入っていると、
「で、殿下! ひ、飛竜です! お逃げ下さい、ここは俺が囮に!」
凄く慌てたレディが、僕に叫ぶ。
でも、僕は怖くない。
怖くないんだ。
懐かしい、凄く懐かしい、そんな匂いが近付いて来る。
その懐かしい匂いは森の木々を物ともせずに僕達の前に降り立った。
「ち、違う。ぜ、絶対違う。う、嘘だ。嘘だぁぁぁぁあ!」
レディは半狂乱気味になにか叫んでる。
でも僕には聞こえない。
何故って? だって僕は知っている。
僕の前にいる大きな蜥蜴さんを、僕は知っている。
ぐすっ、ぐすっ、ぐすっ。
僕は泣きながら叫んだ!
「
母さん
! 会いたかったよ!」そして、僕は
もう1人の母親
に再会した。