第27話 観測者

文字数 1,319文字

 私はアレクサンドラ・アルバビロニアです。

 エルブリタニア帝国第3皇子のメイド長をしています。

 実はビクトリアス殿下の観測日記を毎日愛しのアリスに送ることが私の主な仕事なので、離宮のメイド仕事は基本的にしません。

 殿下の観測は飽きが来ません。

 良い出来ごと(イベント)が毎日起きる、出来ごと(イベント)のビックリ箱だー。

 ......。ゴホン、さて殿下が闇夜に離宮を脱け出し、一の郭、二の郭、三の郭、外壁門を簡単に抜けた。

 そして、闇夜の森の中を魔物を狩りながら進む。

 ふむ、消えた獲物は一体何処へ? うん? 間抜けが殿下に絡んだ。

 よく殿下の観察者に選ばれたな。

 ふむ、面白い。カキカキ、うふふふふふ。

 ほほう、世界樹の森まで魔物を狩り続けながらで3日か。

 ふむ、化け物だな。

 あの間抜けも只者じゃないな。

 ふー、疲れた。

 私でなかったら見失っていたな。

 ほほう、面白い! うふふふふふ。

 十の災厄(アンタッチャブル)の一角、《黄金竜》エクスナギア。 

 私は興奮の余り卒倒し掛けたが、殿下の様子で危機的状況ではないと遠目で判断した。

 ふむ、これ以上は近付けない、私の本能がそう言っている。

 十の災厄(アンタッチャブル)を敵に廻す程、私は

ではない。

 良い出来ごと(イベント)だ。カキカキ。

 ほほう、面白い! うふふふふふ。

 十の災厄(アンタッチャブル)の一角、《禍蛇》の片割れ《巨蛇》ヨルムガルド。

 ふむ、これ以上は近付けない。

 私の本能がそう言っている。

 十の災厄(アンタッチャブル)

敵に廻す程、私は

ではない。

 《巨蛇》の番のもう1体、《虚蛇》ウロボロスがいるはずだ。

 その身は見えず、その身は一切の攻撃を素通りさせる魔物だ。

 これは私がアルバビロニアの叡智の図書館に

だ。

 しかし、かなり遠くからしか観測出来ない、無念。

 でも、良い出来ごと(イベント)だ。カキカキ。

 ほほう、面白い! うふふふふふ。

 《巨蛇》ヨルムガルドが消えていく、ふむ? 殿下が倒した? 

 ほほう、十の災厄(アンタッチャブル)を殿下が倒した? 面白い、面白い、面白い。

 私は興奮で漏らしてしまった、はしたない。

 私は匆遑(そそくさ)下着(パンツ)を履き替えた。

 は、もう1体の《虚蛇》ウロボロスは、あれ? 何も起こらない? ふむふむ? 殿下がもう1体も倒した? ほほう、面白い。

 流石、紅眼の



 やりおる、良い出来ごと(イベント)だ。カキカキ。

 ほほう、今度は黒獣とはな。

 面白い、面白い、面白い。

 うふふふふふ。

 ああ、アリス。喜んでくれるかな? 良い出来ごと(イベント)が目白押しだ。

 カキカキ。うふふふふふ。

 私の可愛い可愛いアリス。

 私はあなたさえいれば他には何もいらない。

 ああ、私の可愛い可愛いアリス。

 あなたが望むならアルグリア大陸全てを捧げてあげる。うふふふふふ。
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