第104話 アクリオン王国
文字数 1,327文字
私はリムル・カスタクルス。
アクリオン王国の東部を預かる辺境伯である。
我が国の東部に隣接するシリウス・デネブの両国が、ミダス王国に侵攻中であると一報が入った。
私は王都へ急報を走らせ、東部国境付近にも物見を走らせた。
そして、徐々に明らかになる事実に私は驚愕する。
古のクローマ王国の再興だと?
正気か?
西方諸国のベガ・シリウス・デネブ・スピカ・カペラ・リゲルが西方諸国軍を結成し、西方三国に攻め込んだのだ。
この6カ国にこれほど連携する関係性があるはずはない。
そう断言するほど私の情報収集に抜かりはないと信じたい。
確かに不穏な動きの兆しはあった。
しかし、これほどの連携で西方三国に攻め込むとは...信じられない。
不和が続く西方三国が、この諸国の暴挙に一致団結して当たるのではと考えていた。
それほどに西方三国と西方諸国連合との地力に差があるのだ。
「申し上げます! ナリス王国陥落! そして、レクリア王国も陥落!」
急報が立て続けに伝えられる。
馬鹿な、地力で優位にある国を落としただと!
詳細を聞くにつれ、今回の一連の動きが周到に準備され実行された事実が浮かび上がる。
何者かが西方諸国を操っている?
「申し上げます! ミダス王国陥落! そして、西方三国が統一されクローマ王国の再興が発布されました!」
な、なんと。
ミダス王国も落ちただと、これは由々しき事態だ。
このアルグリア西部地帯に強国が誕生したのだ。
シリウス・デネブの緩衝国があるとは言え、今回の一連の動きを画策したクローマ王国に気を許す筈もない。
気を許せば、西方三国のように一気に飲まれる。
私は東部を預かる辺境伯として、アクリオン王国を守護する責があるのだ。
「申し上げます! 国境の砦より、旧ナリス王国青銅騎士団団長グリスティス・オールバ殿の一族が入国の申請をしているとの事。現在の情勢を鑑みて伯に裁可の報が来ております!」
くっ、この時期に滅んだ国の者が入国を希望するのは致し方ない。
しかし、寄りによってグリスティス・オールバ殿とは...。
我が一存で決めるには大きすぎる。
だが、王都に伺いを出す時間はないだろう。
報せには追手に依り、幾度かの戦いがあったとある。
ここで、オールバ殿を拒めばアクリオン王国の名折れである。
しかし、現実は厳しい。
追手を放っているのは間違いなくクローマ王国であろう。
オールバ殿を我が国に入れれば、クローマ王国の不興を確実に買うだろう。
「それと、オールバ卿に付き添っている一団があります。その一団の者が申すには数ヶ月だけアクリオン王国に滞在するが、あくまで一時の滞在であるので考慮頂きたいとのことでした。そして、内々にですが...」
な、何? エルブリタニア帝国第3皇子だと!
それが本当なら、...。
良し! 私が国境に向かおう。
そして、第3皇子に直接会って真偽を確かめるしかない。
私はリムル・カスタクルス。
アクリオン王国の東部を守護する者である。
アクリオン王国の東部を預かる辺境伯である。
我が国の東部に隣接するシリウス・デネブの両国が、ミダス王国に侵攻中であると一報が入った。
私は王都へ急報を走らせ、東部国境付近にも物見を走らせた。
そして、徐々に明らかになる事実に私は驚愕する。
古のクローマ王国の再興だと?
正気か?
西方諸国のベガ・シリウス・デネブ・スピカ・カペラ・リゲルが西方諸国軍を結成し、西方三国に攻め込んだのだ。
この6カ国にこれほど連携する関係性があるはずはない。
そう断言するほど私の情報収集に抜かりはないと信じたい。
確かに不穏な動きの兆しはあった。
しかし、これほどの連携で西方三国に攻め込むとは...信じられない。
不和が続く西方三国が、この諸国の暴挙に一致団結して当たるのではと考えていた。
それほどに西方三国と西方諸国連合との地力に差があるのだ。
「申し上げます! ナリス王国陥落! そして、レクリア王国も陥落!」
急報が立て続けに伝えられる。
馬鹿な、地力で優位にある国を落としただと!
詳細を聞くにつれ、今回の一連の動きが周到に準備され実行された事実が浮かび上がる。
何者かが西方諸国を操っている?
「申し上げます! ミダス王国陥落! そして、西方三国が統一されクローマ王国の再興が発布されました!」
な、なんと。
ミダス王国も落ちただと、これは由々しき事態だ。
このアルグリア西部地帯に強国が誕生したのだ。
シリウス・デネブの緩衝国があるとは言え、今回の一連の動きを画策したクローマ王国に気を許す筈もない。
気を許せば、西方三国のように一気に飲まれる。
私は東部を預かる辺境伯として、アクリオン王国を守護する責があるのだ。
「申し上げます! 国境の砦より、旧ナリス王国青銅騎士団団長グリスティス・オールバ殿の一族が入国の申請をしているとの事。現在の情勢を鑑みて伯に裁可の報が来ております!」
くっ、この時期に滅んだ国の者が入国を希望するのは致し方ない。
しかし、寄りによってグリスティス・オールバ殿とは...。
我が一存で決めるには大きすぎる。
だが、王都に伺いを出す時間はないだろう。
報せには追手に依り、幾度かの戦いがあったとある。
ここで、オールバ殿を拒めばアクリオン王国の名折れである。
しかし、現実は厳しい。
追手を放っているのは間違いなくクローマ王国であろう。
オールバ殿を我が国に入れれば、クローマ王国の不興を確実に買うだろう。
「それと、オールバ卿に付き添っている一団があります。その一団の者が申すには数ヶ月だけアクリオン王国に滞在するが、あくまで一時の滞在であるので考慮頂きたいとのことでした。そして、内々にですが...」
な、何? エルブリタニア帝国第3皇子だと!
それが本当なら、...。
良し! 私が国境に向かおう。
そして、第3皇子に直接会って真偽を確かめるしかない。
私はリムル・カスタクルス。
アクリオン王国の東部を守護する者である。