第85話 新たなる旅立ち
文字数 1,672文字
「で、あるか...」
母様であるアリトリアス陛下と謁見している。
しかし、ここは謁見の間ではなく評議会会場で十数人の貴族の人達と一緒だ。
『元老院の9人の元老達よ。良い? ビズ、私の教えた通りに言うのよ!』
解ってるよ、シス。
でも、何か心苦しいな。
『ビズ、貴方は結構十の災厄 が7体。東の大国、フューダー大王国の元将軍レイ・ホウセン。アルグリアの九賢者の1人、レジッド・カバデルア。そして、ローゼティアスのメイドと警護騎士団約100余名分のエリクサー。良い、ビズ? 貴方はかなり
それは、嫌だ。
僕とシス には夢がある。
それを叶えるには、今は帝国に縛らる訳にはいかない。
良し! 僕はやり遂げるぞ!
「ところで、ビクトリアス殿下のお仲間は一体どう言う者達なのですか? 報告に依ると...」
十の災厄 の7体。
《黒獣》エクリプス。
《氷狼》エンプレス。
《麒麟》パラグラム。
《海竜》リヴァイアサン。
《千手蜘蛛》アンチノミー。
《不死鳥》ラフレシア。
《超獣》アプリオリ。
《フューダーの最強の武の継承者》レイ・ホウセン。
《アルグリアの九賢者の1人、古の錬金術士》レジッド・カバデルア。
う、全てばれてる。
それはそうか、レディは諜謀機関『隠者の手』の間者だ。
報告はしているよね。
ふー、ここからだ。
僕はやるぞ!
「はい、その通りです。僕の友達です。今回僕は武者修行の旅に出ていました。そして、偶々友達が出来て、偶々妹を助けることが出来たのは不幸中の幸いでした」
本当にこれで良いの、シス? 何かエルヴィス侯爵のこめかみがピクピクしているよ?
それに、周りの元老さん達も何か僕を変な目で見ているよ?
あ、でも母様だけは爆笑している。
「ほ、ほう。では、ローゼティアス殿下のメイド及び警護騎士団が全滅した後、全員を蘇生させたエリクサーはどうやって手に入れたのですか?」
「あれはレジッドさんにお借りしたんです。なのでレジッドさんに、これから対価を僕は支払う予定です」
レディには、エリクサー作成のことは伝えていない。
「ほほう、報告では、エリクサーの素材らしき物を殿下が集めていたとありますが?」
くっ、レディめ。
シス、どうしよう? ばれてるみたいだけど?
え、解ったよ。
「珍しい素材は集めていましたが、エリクサーの素材とか僕にはよく解りません。一体何のことですか? 僕は武者修行の一環で偶々、十の災厄 の縄張り に入ってしまっただけです。そして偶々、十の災厄 と友達になって、偶々珍しい素材を入手しただけなんです。但し、帝国にそのことで迷惑を掛けたことは申し訳ありませんでした」
あ、またエルヴィス侯爵のこめかみがピクピクしている。
高齢なのに大丈夫かな?
「殿下...。そのようなことで申し開きが立つと本当にお思いですか?」
「はい!」
僕はそう言い切った。
元老達は全く納得していなかったが、母様の一言で思わぬ方向に話が向いた。
「ビズ、その方の言は解った。ところで、武者修行はもう良いのか?」
え、良いの? こんな言い訳で、元老の皆さんがこめかみピクピクしていますよ、母様?
「いえ、一端ローゼを警護して帝都へ戻って来ただけです。また直ぐに旅立つ予定でいます」
「そうか。大義であった。ローゼを助けてくれてありがとう。何か望みの物があれば言うが良い」
「ありがとうございます。では、...」
こうして僕と母様の謁見は無事に終わった。
...そして、レディが僕のお付きの従者となった。
母様であるアリトリアス陛下と謁見している。
しかし、ここは謁見の間ではなく評議会会場で十数人の貴族の人達と一緒だ。
『元老院の9人の元老達よ。良い? ビズ、私の教えた通りに言うのよ!』
解ってるよ、シス。
でも、何か心苦しいな。
『ビズ、貴方は結構
やらかしてる
のよ!やらかしてる
のよ! これから帝国の為だけに生きていくの? 好きなことも出来ない、自由がなくなってもいいの?』それは、嫌だ。
それを叶えるには、今は帝国に縛らる訳にはいかない。
良し! 僕はやり遂げるぞ!
「ところで、ビクトリアス殿下のお仲間は一体どう言う者達なのですか? 報告に依ると...」
《黒獣》エクリプス。
《氷狼》エンプレス。
《麒麟》パラグラム。
《海竜》リヴァイアサン。
《千手蜘蛛》アンチノミー。
《不死鳥》ラフレシア。
《超獣》アプリオリ。
《フューダーの最強の武の継承者》レイ・ホウセン。
《アルグリアの九賢者の1人、古の錬金術士》レジッド・カバデルア。
う、全てばれてる。
それはそうか、レディは諜謀機関『隠者の手』の間者だ。
報告はしているよね。
ふー、ここからだ。
僕はやるぞ!
「はい、その通りです。僕の友達です。今回僕は武者修行の旅に出ていました。そして、偶々友達が出来て、偶々妹を助けることが出来たのは不幸中の幸いでした」
本当にこれで良いの、シス? 何かエルヴィス侯爵のこめかみがピクピクしているよ?
それに、周りの元老さん達も何か僕を変な目で見ているよ?
あ、でも母様だけは爆笑している。
「ほ、ほう。では、ローゼティアス殿下のメイド及び警護騎士団が全滅した後、全員を蘇生させたエリクサーはどうやって手に入れたのですか?」
「あれはレジッドさんにお借りしたんです。なのでレジッドさんに、これから対価を僕は支払う予定です」
レディには、エリクサー作成のことは伝えていない。
「ほほう、報告では、エリクサーの素材らしき物を殿下が集めていたとありますが?」
くっ、レディめ。
シス、どうしよう? ばれてるみたいだけど?
え、解ったよ。
「珍しい素材は集めていましたが、エリクサーの素材とか僕にはよく解りません。一体何のことですか? 僕は武者修行の一環で偶々、
あ、またエルヴィス侯爵のこめかみがピクピクしている。
高齢なのに大丈夫かな?
「殿下...。そのようなことで申し開きが立つと本当にお思いですか?」
「はい!」
僕はそう言い切った。
元老達は全く納得していなかったが、母様の一言で思わぬ方向に話が向いた。
「ビズ、その方の言は解った。ところで、武者修行はもう良いのか?」
え、良いの? こんな言い訳で、元老の皆さんがこめかみピクピクしていますよ、母様?
「いえ、一端ローゼを警護して帝都へ戻って来ただけです。また直ぐに旅立つ予定でいます」
「そうか。大義であった。ローゼを助けてくれてありがとう。何か望みの物があれば言うが良い」
「ありがとうございます。では、...」
こうして僕と母様の謁見は無事に終わった。
...そして、レディが僕のお付きの従者となった。