第69話 約束
文字数 1,665文字
私はサラ・マルコナス。
暗殺組織『闇の牙』の下部組織、闇の瞳の
私は現在ベニアス王国の王都ヘテナの小さい食堂で働いております。
食堂の主は食に五月蠅い男で頑固と言うか拘りが強いと言うか、まあ融通が利かない男です。
「サラ、これを味見してくれ」
ゴクリ、味見ですか...良いでしょう。
私も諜報組織『闇の瞳』で、真贋のサラと呼ばれた女です。
ええ、例え凄く不味い物でも仕方ありません。
その味の善し悪しを私が付けましょう。
私は小さい頃から物の価値が朧気ながら解るのです。
そして、その眼を買われて私は小さい商店で働き始めたのです。
その店は町一番の大店で扱っている商品の種類も数も他の店を圧倒していましたので、私は商品の真贋含めて物の価値を叩き込まれました。
只、その店はガミプフ王国に本店があったのですが、隣国のエルブリタニア帝国に侵略された折に国諸共帝国に略奪されてしまいました。
そして、本店からの物流で成り立っていた私の勤める店は、あっと言う間に物流が滞り経営が傾いてしまったのです。
私を見出してくれた店主も心労が祟り急逝してしまいました。
それから暫くして店も人手に渡り、私も新しい働き口を探していたところをある組織に勧誘されたのです。
その組織が諜報組織『闇の瞳』でした。
私はその頃では人を見ただけで、その人が大体どう言う人か解るようになっていました。
人でも物でも注意深く観察していると頭に大体の内容が浮かぶのです。
その人が嘘をついているか、本当のことを言っているのか私には解るのです。
「美味しい、凄く美味しい」
気難しい食堂の主がニコリと笑います。
うふふふふふ。
この気難しい食堂の主は、暗殺組織『闇の牙』で料理人 と呼ばれた超一流の
彼の依頼の専属諜報員となって数年、私が見た彼は依頼を達成するのは勿論のこと殺し方にも美学を持つ気難しい人でした。
しかし、この料理人 と呼ばれる暗殺者が本当は料理を作る料理人になる夢があると言うことが私には解るのです。
そして、凄く優しい人だと言うことも解るのです。
そんな彼にエルブリタニア帝国第3皇子の暗殺の依頼が舞い込みました。
当初は容易い依頼だと思いましたが、本当は非常に危険な暗殺対象だと判明しました。
物見遊山で十の災厄 を巡る旅をしているのに何故かまだ生きているのです。
もう一度言います。
生きているのです。
つまり、非常に危険な相手だと解ります。
そこで、私達はそのエルブリタニア帝国第3皇子一行を見極めに行ったのです。
「ば、ば、化け物...」
私が思わず呟いた言葉を彼が聞き、そして彼の超一流の暗殺者の感がこの暗殺対象者に手を出すことは死と同様だと判断したのです。
彼はあっさり依頼を破棄する決断をしました。
私もそれを後押しするようなことを言ってしまいました。
だって、私が見た者達の殆どは、十の災厄 達だったのです。
そして、エルブリタニア帝国第3皇子は、その十の災厄 よりも危険だと私の真贋が強く警告を告げていました。
暫くして、彼は幼い頃からの夢である料理人なると言い出しました。
そんな彼の夢に付いていくのも良いかなと思い、私も組織を抜ける覚悟を決めたのです。
ある日、ベニアス王国で食堂を営んでいると私達の前に『闇の牙』の手の者が来ましたが、彼が追い返しました。
その追い返した後に、彼は私に言いました。
「サラ、俺と結婚してくれ。俺がお前を守る」
私は彼が嘘や冗談でこう言うことを言える人ではないと知っています。
私は、只一言だけで答えました。
「はい」
その日、私達は本当の夫婦になったのです。
暗殺組織『闇の牙』の下部組織、闇の瞳の
元
諜報員です。私は現在ベニアス王国の王都ヘテナの小さい食堂で働いております。
食堂の主は食に五月蠅い男で頑固と言うか拘りが強いと言うか、まあ融通が利かない男です。
「サラ、これを味見してくれ」
ゴクリ、味見ですか...良いでしょう。
私も諜報組織『闇の瞳』で、真贋のサラと呼ばれた女です。
ええ、例え凄く不味い物でも仕方ありません。
その味の善し悪しを私が付けましょう。
私は小さい頃から物の価値が朧気ながら解るのです。
そして、その眼を買われて私は小さい商店で働き始めたのです。
その店は町一番の大店で扱っている商品の種類も数も他の店を圧倒していましたので、私は商品の真贋含めて物の価値を叩き込まれました。
只、その店はガミプフ王国に本店があったのですが、隣国のエルブリタニア帝国に侵略された折に国諸共帝国に略奪されてしまいました。
そして、本店からの物流で成り立っていた私の勤める店は、あっと言う間に物流が滞り経営が傾いてしまったのです。
私を見出してくれた店主も心労が祟り急逝してしまいました。
それから暫くして店も人手に渡り、私も新しい働き口を探していたところをある組織に勧誘されたのです。
その組織が諜報組織『闇の瞳』でした。
私はその頃では人を見ただけで、その人が大体どう言う人か解るようになっていました。
人でも物でも注意深く観察していると頭に大体の内容が浮かぶのです。
その人が嘘をついているか、本当のことを言っているのか私には解るのです。
「美味しい、凄く美味しい」
気難しい食堂の主がニコリと笑います。
うふふふふふ。
この気難しい食堂の主は、暗殺組織『闇の牙』で
元
暗殺者です。彼の依頼の専属諜報員となって数年、私が見た彼は依頼を達成するのは勿論のこと殺し方にも美学を持つ気難しい人でした。
しかし、この
そして、凄く優しい人だと言うことも解るのです。
そんな彼にエルブリタニア帝国第3皇子の暗殺の依頼が舞い込みました。
当初は容易い依頼だと思いましたが、本当は非常に危険な暗殺対象だと判明しました。
物見遊山で
もう一度言います。
生きているのです。
つまり、非常に危険な相手だと解ります。
そこで、私達はそのエルブリタニア帝国第3皇子一行を見極めに行ったのです。
「ば、ば、化け物...」
私が思わず呟いた言葉を彼が聞き、そして彼の超一流の暗殺者の感がこの暗殺対象者に手を出すことは死と同様だと判断したのです。
彼はあっさり依頼を破棄する決断をしました。
私もそれを後押しするようなことを言ってしまいました。
だって、私が見た者達の殆どは、
そして、エルブリタニア帝国第3皇子は、その
暫くして、彼は幼い頃からの夢である料理人なると言い出しました。
そんな彼の夢に付いていくのも良いかなと思い、私も組織を抜ける覚悟を決めたのです。
ある日、ベニアス王国で食堂を営んでいると私達の前に『闇の牙』の手の者が来ましたが、彼が追い返しました。
その追い返した後に、彼は私に言いました。
「サラ、俺と結婚してくれ。俺がお前を守る」
私は彼が嘘や冗談でこう言うことを言える人ではないと知っています。
私は、只一言だけで答えました。
「はい」
その日、私達は本当の夫婦になったのです。