第72話 メイド魂?
文字数 1,535文字
私はサリー・ランゼボルグ。
ランゼボルグ侯爵家の8女です。
私はエルブリタニア帝国第1皇女ローゼティアス・エルブリタニア殿下に仕えています。
現在、ローゼ様と私達は危機に瀕しています。
謎の賊の集団に襲撃され、警護騎士団が応戦していますが状況を窺うに劣勢なのです。
私は懐剣を取り出し、いつでも私の
「ローゼ様、このままではお命が危険です。ここは私が血路を開きますので、ローゼ様はお逃げ下さい!」
状況は好転の兆しもなく、一方的に警護騎士団が倒されている現状では、まだ余力のあるうちに囲みを突破することに私は一縷の望みを賭けてみる決断をしました。
「ローゼ殿下! 申し訳ありません! 残りの者で囲みを崩すしかありません!」
警護騎士団を指揮するゼハイド・バルミューレ様も私と同じ決断をしたようです。
私とローゼ様は意を決して馬車から降りました。
しかし、そこはまさしく戦場でした。
先ほどまで元気でいた騎士様方が物言わぬ骸になってでも、ローゼ様をお守りする為に肉壁の如く立ったまま死んでいる者も少なくありませんでした。
私はローゼ様にその光景を見せてはいけないと目を覆おうとしましたが、ローゼ様は静かに私の手を取り言いました。
「私の騎士達の雄姿を主が見ずして誰が見るのですか? 私は彼らの主、ローゼティアス・エルバビロニアなのです!」
凜々しいローゼ様の言葉に私達も奮い立ちましたが、警護騎士団は30人を切る人数まで減っています。
対して謎の敵は数百人は下らない人数にも関わらず、戦っているのはたった1人なのです。
その時、私はこの囲いを突破するのが絶望的な状況だと解りました。
そして、たった1人で戦う男は悲しい涙を流すように、警護騎士団の血をその身に受けていました。
私の実家ランゼボルグ侯爵家には血統上の秘密があります。
私達の家の者は、魔力が見えるのです。
そして、私にはその魔力の扱いに適正があり、人の魔力の色からある程度の感情を色として見ることが出来るのです。
この敵の男は泣いています。
理由は解りませんが、この状況は彼の本意ではないのでしょう。
そんな敵である男が警護騎士団を全て倒し、残る1人であるバルミューレ様と対峙した時でした。
私達を囲う一郭に、この世の者とは思えない圧倒的な魔力がなんと9つ以上見えたのです!
その一郭からは絶叫する賊の叫び声がしたかと思うと、敵の男はバルミューレ様に突如当て身をしてローゼ様に踊り掛かりました。
その早さに私は対応出来ませんでしたが、私には
「風よ! ローゼ様を守って!」
私は私を守護する風の精霊の力を借りてローゼ様の側に一瞬で移動して、私の守護よりもローゼ様を守るように精霊に願いました。
敵の男の剣はローゼ様には届きませんでした。
良かった...。
私の目に映るローゼ様は目を見開き唖然とした表情で私を見つめます。
私の可愛いたった1人の妹、自称ですがお姉ちゃんですからね私は...。
私の胸に生える剣から滴り落ちる血が地面を濡らします。
ああ、私は死ぬのですね。
け、結婚したかったな...。
私は最後の力を振り絞り私の守護精霊に願いました。
ローゼを...妹を守って!
そして、私の意識は無くなりました...。
私はサリー・ランゼボルグ。
私はエルブリタニア帝国第1皇女ローゼティアス・エルブリタニア殿下に仕えるメイドで、自称ローゼのお姉ちゃんなのです。
ランゼボルグ侯爵家の8女です。
私はエルブリタニア帝国第1皇女ローゼティアス・エルブリタニア殿下に仕えています。
現在、ローゼ様と私達は危機に瀕しています。
謎の賊の集団に襲撃され、警護騎士団が応戦していますが状況を窺うに劣勢なのです。
私は懐剣を取り出し、いつでも私の
能力
を発動出来るように身構えていました。「ローゼ様、このままではお命が危険です。ここは私が血路を開きますので、ローゼ様はお逃げ下さい!」
状況は好転の兆しもなく、一方的に警護騎士団が倒されている現状では、まだ余力のあるうちに囲みを突破することに私は一縷の望みを賭けてみる決断をしました。
「ローゼ殿下! 申し訳ありません! 残りの者で囲みを崩すしかありません!」
警護騎士団を指揮するゼハイド・バルミューレ様も私と同じ決断をしたようです。
私とローゼ様は意を決して馬車から降りました。
しかし、そこはまさしく戦場でした。
先ほどまで元気でいた騎士様方が物言わぬ骸になってでも、ローゼ様をお守りする為に肉壁の如く立ったまま死んでいる者も少なくありませんでした。
私はローゼ様にその光景を見せてはいけないと目を覆おうとしましたが、ローゼ様は静かに私の手を取り言いました。
「私の騎士達の雄姿を主が見ずして誰が見るのですか? 私は彼らの主、ローゼティアス・エルバビロニアなのです!」
凜々しいローゼ様の言葉に私達も奮い立ちましたが、警護騎士団は30人を切る人数まで減っています。
対して謎の敵は数百人は下らない人数にも関わらず、戦っているのはたった1人なのです。
その時、私はこの囲いを突破するのが絶望的な状況だと解りました。
そして、たった1人で戦う男は悲しい涙を流すように、警護騎士団の血をその身に受けていました。
私の実家ランゼボルグ侯爵家には血統上の秘密があります。
私達の家の者は、魔力が見えるのです。
そして、私にはその魔力の扱いに適正があり、人の魔力の色からある程度の感情を色として見ることが出来るのです。
この敵の男は泣いています。
理由は解りませんが、この状況は彼の本意ではないのでしょう。
そんな敵である男が警護騎士団を全て倒し、残る1人であるバルミューレ様と対峙した時でした。
私達を囲う一郭に、この世の者とは思えない圧倒的な魔力がなんと9つ以上見えたのです!
その一郭からは絶叫する賊の叫び声がしたかと思うと、敵の男はバルミューレ様に突如当て身をしてローゼ様に踊り掛かりました。
その早さに私は対応出来ませんでしたが、私には
風の精霊が付いています
。「風よ! ローゼ様を守って!」
私は私を守護する風の精霊の力を借りてローゼ様の側に一瞬で移動して、私の守護よりもローゼ様を守るように精霊に願いました。
敵の男の剣はローゼ様には届きませんでした。
良かった...。
私の目に映るローゼ様は目を見開き唖然とした表情で私を見つめます。
私の可愛いたった1人の妹、自称ですがお姉ちゃんですからね私は...。
私の胸に生える剣から滴り落ちる血が地面を濡らします。
ああ、私は死ぬのですね。
け、結婚したかったな...。
私は最後の力を振り絞り私の守護精霊に願いました。
ローゼを...妹を守って!
そして、私の意識は無くなりました...。
私はサリー・ランゼボルグ。
私はエルブリタニア帝国第1皇女ローゼティアス・エルブリタニア殿下に仕えるメイドで、自称ローゼのお姉ちゃんなのです。