第102話 西方諸国連合
文字数 1,597文字
私はリルゲス・ドスマイケル。
アッバース王国の外交特使だ。
今回の西方に於いての動乱は、全てアッバース王国が企てたことである。
ハリルクルミカ陛下の勅命に依り、私はアーク傭兵騎士団と共に西方に赴いた。
そして、不義理なミダス・ナリス・レクリアの西方三国に正義の剣を振り下ろした。
アッバースの先人達よ! 御照覧あれ!
しかし、惜しむらくは高潔な魂ミルテッド・クローマの子孫であるミドデルス・クローマが、正義の剣を望まなかったことだ。
800年もの間、西方三国は仲違いを常とし険悪な関係を続けてきた。
高潔な魂ミルテッド・クローマの想いを踏み躙る愚者共に正義の剣を!
アッバースの先人達は、西方三国に憤りの声を揚げ続けた。
しかし、高潔な魂ミルテッドも彼の子孫も決して西方三国に対して、恨み言の一言も漏らさなかった。
アッバースの先人達は、高潔な魂の子孫が望めばアッバースの正義の剣を以て、西方三国を正統な後継者に戻すと決めていた。
只一度も800年の間、高潔な魂の子孫は
そして、高潔な魂ミルテッド・クローマがアッバース王国に客人として迎え入れられ、約800年が経った。
高潔な魂ミルテッド・クローマの魂にアッバースの先人達は、その亡骸に対して
それは高潔な魂が没して555年後、もし西方三国が未だ仲違いをしているならば、アッバースの正義の剣を以て此を正す。
そして、その約定は果たされた。
ミドガルス・クローマ。
高潔な魂の継承者にして、ハリルクルミカ陛下の友。
友は、陛下に対して今回の戦いを止めるように何度も進言したと聞く。
しかし、先人達の約定をハリルクルミカ陛下が破れるはずもない。
アッバースに於いて、約定・誓いとは絶対である。
そして、高潔な魂が望まぬ戦いが開始された。
但し、高潔な魂に殉じた戦士達は今回の戦いに歓喜した。
その戦士の子孫達で構成されたのが、アーク傭兵騎士団だ。
アルグリア大陸の戦乱在るところに出没するアーク傭兵騎士団は、実戦でその剣を磨き続けていた。
必ず主君の剣として振るわれる時を信じいた。
その想いが報われるのだ。
戦士として歓喜せずにはいられない。
喩え主君の意に染まぬ行いだとしても、800年もの間を雌伏した戦士達の子孫は、その磨き続けた剣を西方三国に振り下ろした。
そして、クローマ王国の再興は為ったのだ。
但し現在、西方諸国連合として看過出来ない事態が起こっていた。
西方6カ国のスピカ・カペラ・デネブ・リゲルの4カ国の軍が敗走した。
敵した相手は、エルブリタニア帝国第3皇子ビクトリアス・エルブリタニア。
たった十数人に敗走した軍勢凡そ二万弱...。
それも、生かされて放置されていた。
圧倒的武力に依る蹂躙。
「何時でも殲滅出来るぞ!」と言う宣告に等しい。
しかし、愚か者は何処にでも存在する。
リゲル王国軍は再度、件の皇子一行を襲撃した。
そして、殲滅された。
只一人も生きては帰らなかった。
愚か者の所業であっても、この度の戦いはアッバースの正義の剣である。
その正義の剣に敵対すると言うことは、アッバースに敵対すると言うこと。
エルブリタニア帝国との大戦は避けられないかも知れない。
我がアッバースと言えども、中央の大国であるエルブリタニアとの戦いに確実に勝利するとは言えなかった。
況してや、たった十数人にアッバースの兵では無いとしても二万弱の兵が実質、倒されている。
しかし、アッバースの正義の剣は臆さない。
正義が臆しては為らない。
私は至急本国に報せを放った。
アッバース王国の外交特使だ。
今回の西方に於いての動乱は、全てアッバース王国が企てたことである。
ハリルクルミカ陛下の勅命に依り、私はアーク傭兵騎士団と共に西方に赴いた。
そして、不義理なミダス・ナリス・レクリアの西方三国に正義の剣を振り下ろした。
アッバースの先人達よ! 御照覧あれ!
しかし、惜しむらくは高潔な魂ミルテッド・クローマの子孫であるミドデルス・クローマが、正義の剣を望まなかったことだ。
800年もの間、西方三国は仲違いを常とし険悪な関係を続けてきた。
高潔な魂ミルテッド・クローマの想いを踏み躙る愚者共に正義の剣を!
アッバースの先人達は、西方三国に憤りの声を揚げ続けた。
しかし、高潔な魂ミルテッドも彼の子孫も決して西方三国に対して、恨み言の一言も漏らさなかった。
アッバースの先人達は、高潔な魂の子孫が望めばアッバースの正義の剣を以て、西方三国を正統な後継者に戻すと決めていた。
只一度も800年の間、高潔な魂の子孫は
クローマ王国の再興
を求めなかった。そして、高潔な魂ミルテッド・クローマがアッバース王国に客人として迎え入れられ、約800年が経った。
高潔な魂ミルテッド・クローマの魂にアッバースの先人達は、その亡骸に対して
ある約定
を誓った。それは高潔な魂が没して555年後、もし西方三国が未だ仲違いをしているならば、アッバースの正義の剣を以て此を正す。
そして、その約定は果たされた。
ミドガルス・クローマ。
高潔な魂の継承者にして、ハリルクルミカ陛下の友。
友は、陛下に対して今回の戦いを止めるように何度も進言したと聞く。
しかし、先人達の約定をハリルクルミカ陛下が破れるはずもない。
アッバースに於いて、約定・誓いとは絶対である。
そして、高潔な魂が望まぬ戦いが開始された。
但し、高潔な魂に殉じた戦士達は今回の戦いに歓喜した。
その戦士の子孫達で構成されたのが、アーク傭兵騎士団だ。
アルグリア大陸の戦乱在るところに出没するアーク傭兵騎士団は、実戦でその剣を磨き続けていた。
必ず主君の剣として振るわれる時を信じいた。
その想いが報われるのだ。
戦士として歓喜せずにはいられない。
喩え主君の意に染まぬ行いだとしても、800年もの間を雌伏した戦士達の子孫は、その磨き続けた剣を西方三国に振り下ろした。
そして、クローマ王国の再興は為ったのだ。
但し現在、西方諸国連合として看過出来ない事態が起こっていた。
西方6カ国のスピカ・カペラ・デネブ・リゲルの4カ国の軍が敗走した。
敵した相手は、エルブリタニア帝国第3皇子ビクトリアス・エルブリタニア。
たった十数人に敗走した軍勢凡そ二万弱...。
それも、生かされて放置されていた。
圧倒的武力に依る蹂躙。
「何時でも殲滅出来るぞ!」と言う宣告に等しい。
しかし、愚か者は何処にでも存在する。
リゲル王国軍は再度、件の皇子一行を襲撃した。
そして、殲滅された。
只一人も生きては帰らなかった。
愚か者の所業であっても、この度の戦いはアッバースの正義の剣である。
その正義の剣に敵対すると言うことは、アッバースに敵対すると言うこと。
エルブリタニア帝国との大戦は避けられないかも知れない。
我がアッバースと言えども、中央の大国であるエルブリタニアとの戦いに確実に勝利するとは言えなかった。
況してや、たった十数人にアッバースの兵では無いとしても二万弱の兵が実質、倒されている。
しかし、アッバースの正義の剣は臆さない。
正義が臆しては為らない。
私は至急本国に報せを放った。