第154話 元奴隷少女の告白
文字数 1,166文字
私はララミィ・ベル。
元奴隷の侍女です。
「殿下、私はごく普通のシルフィです、……よ?」
私は戸惑いながら、お仕えするビクトリアス殿下に問い掛けます。
「其処、身体が開いてる! 脇を締めて、剣ではなく身体全体の動きを意識して!」
「は、はい!」
私はエルブリタニア帝国では、侍女の特技の一つと殿下が力説する剣を殿下自らの指導で習っています。
本当に、本当なんですよね? 帝国の侍女の持つスキルとは、私の想い描いていたものとは違うようです。
でも、泣き言は言いません! 私には奴隷の身から解放して頂いた恩があるのですから!
どうやら私には剣の才能が無いようです!
其れは殿下の態度を見ていれば解ります。
何か奥歯に物が挟まったような、試行錯誤を繰り返す職人(娼館の娼婦を職人のように感じている)のように、すっきりとした表情ではないのですから。
『なあ、ビズ? ララァって、左利きじゃないのか?』
殿下の頭の上で寝そべる暴君(黒獣エクリプス)が、呟きます。
そうです、私は元々は左利きでしたが、接客をする上で矯正したのです。
良く解りましたね、エクス様?
『どうしてそう思ったの、エクス?』
『いや、……見れば解る、……だろ? ビズ、解らないのか?』
『ええ~、見れば解るものなんだ? 解らないよ~、エクス~?』
お二人の話し合いを聞きながら、利き腕が違うと何か問題でもあるのかと不思議に思っていると。
『なっ! 言った通りだろ、ビズ!』
黒い暴君は殿下の頭の上で、ドヤ顔で殿下に呟いています。
私の動きは見違えるように、私自身で全く動きが変わった事に驚いています!
利き腕って、凄く大事なんだ?
「はぁぁぁぁぁ~!」
私の剣が、壮年の騎士を打ち据える!
「ま、参った! ララァ!」
壮年の騎士は、両手を挙げて降参されます!
う、嘘! 私が一本獲ったの?
相手はあのナリス王国のグリスティス・オールバ様!
青銅騎士団団長を務められていた、あのグリス様を!
私が?
気付くとあんなに嫌がっていた剣術が大好きに為り、自分から他の仲間の皆様に手合わせをお願いするようになっていて、びっくりです!
「殿下、困ります! 殿下が確りしないと、私が怠けていると見られます! 駄目です! 論外です! さあ、早く着替えて下さい!」
私はもう日課と為った殿下のお支度を手伝っています!
もう殿下ったら、寝ぼけて!
私が確りしないと、本当に殿下は残念な天然さんなんだから!
私はララミィ・ベル。
エルブリタニア帝国第3王子ビクトリアス・エルブリタニア殿下の侍女であり、殿下の剣です。
元奴隷の侍女です。
「殿下、私はごく普通のシルフィです、……よ?」
私は戸惑いながら、お仕えするビクトリアス殿下に問い掛けます。
「其処、身体が開いてる! 脇を締めて、剣ではなく身体全体の動きを意識して!」
「は、はい!」
私はエルブリタニア帝国では、侍女の特技の一つと殿下が力説する剣を殿下自らの指導で習っています。
本当に、本当なんですよね? 帝国の侍女の持つスキルとは、私の想い描いていたものとは違うようです。
でも、泣き言は言いません! 私には奴隷の身から解放して頂いた恩があるのですから!
どうやら私には剣の才能が無いようです!
其れは殿下の態度を見ていれば解ります。
何か奥歯に物が挟まったような、試行錯誤を繰り返す職人(娼館の娼婦を職人のように感じている)のように、すっきりとした表情ではないのですから。
『なあ、ビズ? ララァって、左利きじゃないのか?』
殿下の頭の上で寝そべる暴君(黒獣エクリプス)が、呟きます。
そうです、私は元々は左利きでしたが、接客をする上で矯正したのです。
良く解りましたね、エクス様?
『どうしてそう思ったの、エクス?』
『いや、……見れば解る、……だろ? ビズ、解らないのか?』
『ええ~、見れば解るものなんだ? 解らないよ~、エクス~?』
お二人の話し合いを聞きながら、利き腕が違うと何か問題でもあるのかと不思議に思っていると。
『なっ! 言った通りだろ、ビズ!』
黒い暴君は殿下の頭の上で、ドヤ顔で殿下に呟いています。
私の動きは見違えるように、私自身で全く動きが変わった事に驚いています!
利き腕って、凄く大事なんだ?
「はぁぁぁぁぁ~!」
私の剣が、壮年の騎士を打ち据える!
「ま、参った! ララァ!」
壮年の騎士は、両手を挙げて降参されます!
う、嘘! 私が一本獲ったの?
相手はあのナリス王国のグリスティス・オールバ様!
青銅騎士団団長を務められていた、あのグリス様を!
私が?
気付くとあんなに嫌がっていた剣術が大好きに為り、自分から他の仲間の皆様に手合わせをお願いするようになっていて、びっくりです!
「殿下、困ります! 殿下が確りしないと、私が怠けていると見られます! 駄目です! 論外です! さあ、早く着替えて下さい!」
私はもう日課と為った殿下のお支度を手伝っています!
もう殿下ったら、寝ぼけて!
私が確りしないと、本当に殿下は残念な天然さんなんだから!
私はララミィ・ベル。
エルブリタニア帝国第3王子ビクトリアス・エルブリタニア殿下の侍女であり、殿下の剣です。