第145話 仲間

文字数 1,405文字

 俺はグリスティス・オールバ。

 ナリス王国の

青銅騎士団団長だ。

 現在は、エルブリタニア帝国第3皇子ビクトリアス・エルブリタニア殿下にお仕えしている。



 

レクリア王国、銀狐騎士団の騎士ジューダス・レイピース殿。

 

ミダス王国、第3防衛戦士団の兵士アラート・レーベル殿。

 

アッバース王国、巨神(タイタン)騎士団の団長ダロス・アジタート殿。

 俺を含めた4人が、殿下の元々の集団に加入した形だ。

 しかし、其の元々の集団が、曲者と言うよりも化物の集まりだった。

 日々の修練が地獄。良いか? 比喩ではなく本当の地獄なんだ!

 気を抜けば死ぬ。確実に死ぬ。其の死の鎌を潜り抜ける日々。

 其の地獄の日々が、俺を、いや新たに加わった4人を化物へと変えていく。

 そんな俺達の鍛錬の相手は、人類では《フューダーの最強の武の継承者》レイ・ホウセン殿。

 フューダー王国の

将軍であるレイ殿も、また化物だった。

 そして、伝説の《アルグリアの九賢者の1人、古の錬金術士》レジッド・カバデルア殿。

 生ける伝説は、武術の嗜みさえない。其れなのに、俺達よりも強い。

 レジッド殿曰く、毎日鍛錬に参加していたら、こう為っただそうだ。

 最後に、レディ先輩こと、レディオス・ベクシス殿。

 此の方は、化物は化物でも、其の圧倒的な知力と賢さに於いて、追従を許さない。

 勿論、武術も高く、俺達は足元にも及ばない。

 まさに苦労人。化物皇子、おっとビズ様にお仕えする中で、彼ほど働いている者はいない。

 此の人は、休むと死ぬのかと、我ら4人の中では驚異の人だった。

 ああ、忘れてはいけないのが、人類ではない。【不可避の神罰】と呼ばれる《黒獣》エクリプス。《氷狼》エンプレス。《麒麟》パラグラム。《海竜》リヴァイアサン。《千手蜘蛛》アンチノミー。《不死鳥》ラフレシア。《超獣》アプリオリ。

 十の災厄(アンタッチャブル)の皆様方だ、......

 最初は、冗談だと思っていた。思いたかった。知りたくはなかった!

 俺達4人は、まさしく同士だった。

 蹂躙される俺等4人を人類組の3人は、懐かしそうに、遠い目をしながら、見つめていた。

 俺達も通った道だと? 直ぐ慣れるだと?

 慣れる前に死に絶えるわ! 

 心の声が聞こえるのか、十の災厄(アンタッチャブル)の皆様方は、『やる気満々だ!』と誤解して徹底して鍛えてくれたのだった。



 ララミィ・ベルが新しく我らの戦列に加わった。

 シルフィ族の少女。何処も可笑しい処は無かった。

 其れが殿下との毎日の鍛錬により、大化けした。

 俺等4人が、束に為っても敵わない化物に為ったのだ。

 あ、あれ? 可笑しいな数週間前までは只の奴隷少女だった筈なんだが。

 ララァが凄いのか、殿下が凄いのか、もうどちらでも良い。

 そう関係ない。毎日手合わせをしていれば解る。

 化物に染まった俺達は、もう人類ではなく化物に為ったと言うことが、解るんだ。



 そんな俺達に新しい仲間が加わる。

 えっ? イルガリア国王?

 何故か殿下が勧誘する人物は、普通の人ではないようだ。







 俺はグリスティス・オールバ。

 ビズ殿下にお仕えする化物の1人だ。
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