第4話「情熱的な色」
文字数 3,073文字
―PM6時55分―
《古民家Cafe―ゑ來屡》
カランカラン―――――
ここは古民家カフェ《ゑ來屡(エクリュ)》――――――
イカタル*ちゃんと、廃炉が二人で切り盛りするお店である
····これはいつもの日常の中で、とある出来事が起きた日のお話だ
この日は団体客が二組入っていて、いつも以上に忙しい時間帯となっていた
それでなくとも最近は何故か客入りが良くなっており、每日のようにランチタイムもディナータイムも忙しない日が続いている―――――
その時、女性客から見せられたのはスマホの画面だった―――――
そこには、「古民家Cafe―ゑ來屡」のイケメン店長さんが素敵過ぎる件、と書いてあり、この店の写真や廃炉が働いている写真が何枚も貼られていた―――――
と、その時だった―――――
イカタル*ちゃんが団体客用の飲み物をお盆に乗せて少し荒くテーブルに置いた――――――
そう言いながら、女性客は映える映えると、スマホでの撮影会を始めている――――――
そう言うとイカタル*ちゃんはサッサと厨房へ戻って行ってしまった····
焦った廃炉は、激昂のイカタル*ちゃんを追い掛けて厨房へ戻ったのだが、あまりの恐ろしさに壁の影からコッソリと覗く事しか出来ずにいた·······
傍から見た感じのイカタル*ちゃんは、普段通りの表情にしか見えないだろうが廃炉には分かるのだ―――――
彼女は激昂している···
何故なら――――――――
髪の色がパール&オーシャンブルーから、鮮やかに光り輝くパールピンクに変わっているのだから····!
イカタル*ちゃんは「クラーケン」と言う高貴で神聖な一族の生まれである····
そのクラーケン一族にはある伝説が伝えられていた―――――
·····それは、激昂すると全身は真っ赤に染まり、その怒りは嵐を呼び起こし、最低でも7日間は海を大荒れにしてしまうのだとか――――
廃炉は壁の影から、怒りを沸々とさせながら忙しなく料理を続けるイカタル*ちゃんを艶めかしい眼差しで見つめていた····
中々の変態である
そう言うと廃炉は、フラフラしながらイカタル*ちゃんの傍へ行き、コンロの前でフライパンを握り締めるイカタル*ちゃんを後ろから抱きしめた――――
と、次の瞬間だった
結局、廃炉は煩悩剥き出しのただの変態であった―――――
(但し、イカタル*ちゃん限定)
と、言うお話♡
―END―