第144話「攻略」
文字数 1,436文字
《春の闇》
暁鬼がいい掛けたと同時にレイは腰の刀(エビ)に手を掛け姿勢を低くした瞬間、疾風の如く冰鬼へと間合いを詰めていた
黒鉄の天眼通が宿るレイは暁鬼の近い未来が視えているのか、はたまたハッタリなのか、手の内を明かした
レイの言葉を瞬時に理解した暁鬼は、咄嗟に身を引き距離を取る為に後ろへ飛び退いた―――――その時···
レイの素早い詠唱により、飛び退いた時には既に暁鬼の足元に結界円陣が広がっていた
暁鬼の発した言葉を最後まで聞く事も無く、レイの真言結界からは強烈に輝く碧翠(へきりょく)の光が天にも昇る勢いで発光し、それを一身に浴びた暁鬼は一溜まりもなかった――――
そう言うとレイは冰鬼に向かって静かに腰の刀(エビ)を抜いた――――