第100話「桜の丘」
文字数 1,802文字
《都―中心部》
ホシ猫は仕方なさそうに、夜叉丸が準備していた切り株の前に移動し、横に置いてある斧をジト〜っと眺めた
それから少し間を空けて、取り敢えず2本足で立ち上がり斧に手をかけた
そのホシ猫の体勢だけで驚きザワつく観客たちを夜叉丸はニヤニヤしながら見ている
夜叉丸の掛け声が号令かの様に、ホシ猫は斧を両手(両肉球)でしっかりと掴み、勢いよくジャンプすると物凄い勢いで薪めがけて斧を振り下ろした!
ホシ猫は夜叉丸の精気を吸収し、体力を回復させながら薪を割り続けた。
その割れた薪を夜叉丸はささっと束にして並べていく。
その風景を観客たちはあっけに取られながら眺めていたが、そのうち事実を受け入れ始め、気づいた時には大歓声が上がっていた。
そうして大量にあったはずの薪は、あっという間に売り切れ、想像以上の大金を稼ぎ出したホシ猫と夜叉丸だった
《蕎麦屋》
ザワザワ――――
夜叉丸は腹ごしらえの為に近くにあった蕎麦屋に来ていた
···ところが蕎麦屋の中は何やら落ち着かない様子だ
ーその日の夜ー
《蕎麦屋の裏の丘》
ホシ猫は夜叉丸と宿に入り、腹ごしらえと風呂を済ませた後、少しだけ気になっていた場所を訪れた
まんまである。
ホシ猫がブツブツ言いながら丘の上まで歩いていると、丘の丁度てっぺん辺りに大きな桜の木があり、その下に小さな墓の様なモノがひっそりと建っていた
そして、その墓の前にはボンヤリと黒い何かがユラユラしていた···
その正体は―――――