第115話「分析」
文字数 1,532文字
《城下町》
ボワンッッ
ホシ猫が戦線離脱し、近くの建物の屋根へと身軽に移動していたその時―――
目一鬼のお目当てはどうにも夜叉丸らしく、執拗に攻撃を繰り返している
玄宥の結界で片腕が朽ち果てていると言うのに元気なものだ
デカいナタは左腕に持ち替えたらしい
遠目から彼らの戦いを見ているホシ猫は、冷静に分析していた
と、その時――――――
二人は空間がやけに歪んで見えている事に気が付いた
空間の歪みは、まるで水面に水滴を落としたかの様に波紋となって円を描き、その波紋は夜叉丸と玄宥の正面を向いて空中に浮いているようだった
そしてその波紋はどんどん数が増えていっているように見える
そう思ったのも束の間、あっと言う間に波紋の数は無数に増えていた
そして、その波紋の中心部――――
なんだろうか、何かの物体が波紋の中から少しづつ出てきている
廃炉の周りに出来た無数の波紋、その波紋の中から徐々に出てきたモノは――――
無数の波紋の数だけの刀や斤、ナタや七支刀、鉄鋼鉤、円月輪、鎖鎌等、もはやこの国にある武器の全てがこの場所に集結していた