第1話「密祭」
文字数 1,023文字
-PM1時30分-
《人魚神社》
私の名前は、姫城(ヒメギ)いろは
そしてもう一人の女の子は私の従姉妹の、姫城 花梨(ヒメギカリン)
ここは都心から少し離れた県境の沿岸にある集落だ
海と森が殆どだが、一応同じ都内である
30年に1度この時期に、旧暦の6月(現在の7月中旬)には豊年祭と称したお祭りが開催されている
実際に何をしているのかは参加した人しか知り得ず、何をしているのかは絶対に他言無用だと昔から決められているそうだ
なんて冗談めいた事をいいながら花梨は笑った
豪華な懐石料理か····
お祭りの前日に毒が盛られる筈もないよね
鬼束さんと言うのは、この集落でも一際立派なお屋敷に住んでいるご老人で『人魚祭』の主催者である
30年に1度のお祭りを昔から仕切っているらしいのだが、一体何歳なのだろうか··?
今から30年前なんて···私はまだ産まれていないしね···
兎に角怪しい事には違いない
花梨は私とは違って、昔から素直で優しい
···そんな花梨が少し羨ましく思った