第195話「氷の魔王を返上しろ」
文字数 3,559文字
―PM4時15分―
《桐生家―蔵―倉庫》
その時―――――
そんなに照れられると言ったこっちが恥ずかしいじゃない····!
あぁ···やっぱり――――
分かってはいたけれど、私は望まれていないのね···
まぁ、家の事情だもの仕方がない――――――
その時、玄宥様は崩れ落ちるかのように地面に膝を付き、カイトのお父さんである慧慈様に支えられていた···
そして、下を俯いている玄宥様の姿は少しづつ変化しているように見える··
····この風景は前にも見たことがあった――――――
そう、それはイタコの伊吹真那さんが口寄せしていた玄宥様を解除した時である
そう思った次の瞬間····
俯いていて顔は見えないものの、すっかりと小柄な背中に変わり果てた玄宥様···?は慧慈様に起こして貰いながら私達の方を見据えた···
····そしてその時の私は、その凛とした美しさから視線を逸らすことが出来ずに見惚れていたのだった―――――
あ、あれ?
なんかカイト···、ちょっと格好つけてない?
まぁ、凪さんめちゃくちゃ素敵な女性だからね!女の私でもドキドキしちゃうし、仕方ないかな?
えっ?!
そんなキャラだったっけカイト?!
なんか知らんがよく喋るし
ちょっとどころかカナリキザっぽくてなんとなぁくイラッとしちゃうな!
氷の魔王が聞いて呆れるわ!
返上しろ!!フンス!