第113話「交戦」
文字数 1,298文字
《城下町》
ドスン――――――ッ
よく見ると目一鬼は手にデカいナタを握りしめている―――
そのナタにはベットリと血が付着しているため錆びついていて切れ味は悪そうだ
恐らく力技で人間をぶつ切りにしているのだろうとホシ猫は感じていた
それは、まるで地獄の餓鬼のようだった
その瞬間、目一鬼は凄い勢いで跳ね上がった
夜叉丸は真上から落ちてくる目一鬼(まひとつおに)目がけて容赦なく血の刀を振り回し、全ての空間を切り裂いた
夜叉丸の斬撃が目一鬼を捉えた――――
と思ったその時だった
さっきまで夜叉丸の真上に居たはずの目一鬼の姿がどこにもない―――
と、思ったその直ぐ後だった―――――
突然の玄宥の声に、咄嗟に身を翻した夜叉丸の直ぐ目の前には、一瞬姿を消したはずの目一鬼が急に現れ、凄まじい勢いで地面に突っ込んでいた―――
ヤトは目一鬼の凄まじい衝撃に飛ばされそうになっている