第54話「いろはの体」
文字数 1,082文字
－AM9時40分－
《黒崎家》
ガチャ―――···
············
先日····
歩が此処、黒崎さんのお家に来てから
数日がたった
···あれ以来、歩は私の前に現れてはいないがまたいつ現れるか分からない
不安は１つも解消されてはいなかった
そんな最中、最近夜叉丸が夜寝るようになっている
普段はあまり眠ることはないのにどうしたんだろ··
あ···、夜叉丸
起きてたんだね
····あぁ
さっきは···少しうなされていたようだったから、お水持ってきた··
·············
·············
····あ、えっと～
そ、それじゃあまた後で···ね
待て
な、なんですか？
お前には何も言ってなかったが··
······え？
氷月は、俺にとって兄弟のような存在だ···
っ！！！
だが···、俺はあいつから何もかもを奪っちまった、···氷月はもっと幸せに生きていくはずだったのに
···········
どうして今···、
その話を私にするの？
··········さぁな
··強いて言えば、最近···強烈な眠気が俺を襲うんだが
そのせいで昔の夢をよく見る
っ！！
あんなもん···、何度も何度も繰り返し見せられたら頭がどうにかなりそうだぜ···
もしかして···、
だから夜叉丸はいつも眠らずに過ごしていたの？
············
····なら、今から全力で氷月さんを救う方法を探そうよ··、私も協力するから
なんて····、おこがましい事を言った
夜叉丸はもう700年生きていると言うのに、未だにその方法は見つかっていないのだろう
だから氷月さんはずっと夜叉丸を殺そうとしているんだ
···なんて、
ごめん··そんなの夜叉丸なら昔から探しているよね
····いや、別に構わねえ
今は··、昔とは違う
え···？
····取り敢えず、やることは腐るほどあるぜ。優先順位で言えば··
先ずはお前の体をどうするかだ
····え？！
わっ、私の···からだ？！
··············
····何を期待してんのか知らねえがな、俺はお前のようなガキんちょ体型には興味ねえぞ
ガーーーーーン！！
ひっ、酷い····っ
····いや、そもそもな··
お前の首と体がちょんぎれるとこ見てるしな
ちょっとアレだわ
っっ！！！
あんたがちょんぎったんでしょ！！！
そうだっけ？
ｲｯﾗｧ～～～っ
さぁーて、そんじゃあ手掛かりでも探しに行って来ますか～っ
(暫く帰ってくんな！)
そう言って夜叉丸は出掛けて行った
···もう
心配して損したな··
あっ、··て言うか
私もそろそろバイト先を探さないといけなかったんだ··
少し街中へ行ってみようかな
