第7話「調査」
文字数 1,212文字
－PM9時40分－
《鬼束屋敷－客間》
·····何だこいつらは
半魚人か？
······花梨
私とこいつ···
···いや、彼の名前は夜叉丸(やしゃまる)と言うらしい
夜叉丸と私は、さっきまで花梨と楽しく食事をしていた客間に戻ってきていた
(やっぱり夢じゃないよね····)
その半魚人はてめぇの知り合いか？
··········
花梨は··、可愛らしい普通の人間の女の子だよ···
·········
少なくとも···、さっきまでは··
ふぅん···
って事は急に半魚人になったってのか？
···うん、皆で楽しく食事をしていたら···私以外の全員が苦しみ出して―――――――
そりゃ～··あれだな
さっきの鬼女に何か盛られたんだろ
でっ、でも私は何とも無かったよ！！
てめぇは番外だろーが！
違っ！！
私は本当に普通の人間だった！
····っは
ようやっと自分が人間だったのは過去の事だと認識したな？
··········
そんなの、認めたくなんかないけど仕方ないじゃない···あんな··
··········
まぁいい
取り敢えず、食事が関係してんなら先ずは厨房だろ
まっ、待って！
花梨は···っ、花梨はどうなるの？！
···そんなもん
俺の知った事じゃねぇ
っ！！！
お願いっっ！！助かる方法があるなら教えて！！
············
···はぁ
俺はなぁ、別にてめぇの知人を助ける為に慈善事業で調査してんじゃねえんだよ！
っっ！！！
てめぇの正体を暴くのだけが目的だ！！
大体なぁ、そいつらはもう既に全員が事切れてんだよ！！今更何をやったって無駄だ！！
···············
ｸﾞｽ
っっ！！！！
っっはあっっ
本っっ当に面倒くせえ！！
(花梨···、ｺﾞﾒﾝ··私··花梨を助けることが出来なかった··)
私は···、後悔してもしきれなかった
あの時、お祭りをとても楽しみにしていて、この料理を美味しそうに食べていた花梨の幸せそうな顔が頭に焼き付いて離れない
もはや涙ばかりが溢れ出て来て仕方がなかった··
夜叉丸、そんな風に女の子に怒鳴ってはいけないよ
っ？！
····えっ？！
···んだよ
ホシ猫てめぇか
(誰？！···女のコが急に出てきた··)
夜叉丸は無愛想にも程があるからね
無表情猫のてめぇに言われる筋合いはねえんだよ！
····表情ならあるよ
練習だってしたんだ
···········
ほら！
············
··············
さっさと厨房に行くぞ
う、うん····
あれ？ダメだった？
···そんな事はありませんよ
とても可愛らしいです
っ！！！
有り難う、優しいお嬢さん
···何かよく分からないけど、この子は夜叉丸のお友達···かな？
ちょっと、どころかカナリ変わった人だ
でも夜叉丸ってそもそも友達なんかいないよね·····
性格超悪いし
花梨····
ゴメンね··、ちゃんと埋めてあげるからね···
そして、私達は花梨たちがいる客間を後にして厨房へ向かった·····
