第34話「悪鬼外道」
文字数 1,408文字
-AM5時10分-
···この女性(鬼)は誰なんだろう
夜叉丸とはどんな関係?
話の内容から推測すると、この女性は夜叉丸に怨みを抱いて鬼となったようだ··
夜叉丸って生まれた時から鬼なんだとばかり思っていたけど、
もしかして···元々は人だったの··?
だとしたら··何故鬼になってしまったのだろうか···
その瞬間、
氷月(ひづき)さんが手に持っていた刀を振り上げ、夜叉丸目掛けて振り下ろした
それは一瞬と言える程の早さで、女の人の力とは思えないものだった
夜叉丸は辛うじてその刀を交わし、そのまま後ろへ飛び退き距離を取った
そして私達は一斉に走り出し
陰陽師の彼は走りながら「印」を組んだ
何の呪文なのか全く分からないけど、彼がその言葉を唱えた時
私達の回りに大きな結界円陣?の様なものが発光し始めた···
-AM5時55分-
一体どのくらい走っただろう···
相当な距離を走って逃げてきた私達は、ふと後ろを振り向いた
気付くと、そこに氷月さんの姿は無かった···