第186話「分岐点」
文字数 3,594文字
―AM8時20分―
《Caffe―ゑ來屡》
チュン チュン チュン―――――
そう言ってイカタル*ちゃんと廃炉は部屋から出て行った―――――
カイトはスヤスヤと眠るいろはを見つめた後、ふと窓の外を眺めながら、これまで焦燥感に駆られてきた日々がまるで嘘のように感じていた···
カイトが窓の外を眺めながら再びウトウトし始めた時――――――
《Caffe―ゑ來屡》
カイトは心の思いが顔に出やすい···
きっと·····
ホシ猫さんはもう戻っては来ないのかもしれない―――――
···せめて
お礼だけは言いたかった····
私は····
ホシ猫さんと一緒に過ごした時間だけは、いつも心が穏やかだった···
鬼との戦いは辛くてシンドいものだったけど、ホシ猫さんが居てくれたから何があっても心が折れずにやってこれたんだ
ホシ猫さんを開放しなくてはと思いながらも、きっとこの先も側に居てくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていたのは私の勝手な甘えだ――――
···これで良かったんだよね
ホシ猫さん····
―PM16時30分―
《黒猫マート》
そうブツブツ言いながら、ホシ猫が来た道を戻ろうと後ろを振り向いたその時だった――――――
齢(ヨワイ)980歳のホシ猫には言われたくないと心底思う黒鉄だったが、口が裂けてもそんな事は言わない紳士的な黒鉄なのであった