第27話「二人の第六感」
文字数 1,110文字
－PM11時00分－
《住宅街》
···え～っと
住所によると··この辺かな
····あれ
この辺って···
···········
····今日は北条さんとの約束の日だ
調べるなら霊障が起きる時間帯が良いと思い、真那を連れてこの時間に訪問することになった
····以前ニュースで騒がれていた住宅街ではないです？
そうだっけ···
···何で騒がれていたんだったかなぁ
事件があまりにも多すぎて··
取り敢えず···
あそこのアパートみたいだし、さっさと行くぞ
あ、はい
《メゾン・ド・キリエ》
ここだな····
····これは酷いですね
···あぁ
こうなると口寄せは必要無いかも知れねえ
はい··、それに··
あまりにも····
ガチャ――――···
っ！！
っ！！
俺達がアパートの空気を読んでいた時突然扉が開いた。
出てきたのは···
あ···、やっぱり··
何となく人の気配がしたと思いました～
北条さん、お待たせしてスミマセン
いえいえ··、時間通りですから··
今晩は··
あ··、お姉さん来てくれたんですね
めっちゃ嬉しいです～··
··········
今度一緒にお茶でもどうですか？
あ、勿論こんな部屋じゃなくてお洒落なカフェなんかで···
····取り敢えず、お部屋見せてもらっても構いませんか？
あ···、そうですね
スミマセン、どうぞ入って下さい
《北条 莉桜の部屋》
···とてもキレイにしてますね
そうですか？
あまり気にした事もないんですけどね～··
整理整頓もされていて、とても女性受けが良さそうです
···本当ですか？
お姉さんに好印象なら嬉しいです～
では···、俺達は隣の部屋で待機していますので···北条さんはいつも通りにお休み下さい
分かりました～··
－AM2時10分－
《北条 莉桜の部屋》
············
··········
霊視···、なんてまるで意味がないです
あぁ、分かってる
俺達は、北条さんの寝室の隣の部屋でずっと様子を伺っていた
····北条さんには聞こえない程の小声で話す
俺は真那に確認したい事があったのだ··
··········
真那··
はぃ···
俺とお前の感覚は全く別物だ。
···もしかして見えているモノも違うんじゃないのか？
····では、伊吹くんの目に写っているモノは何です？
····俺の目には
沢山の女性の怨念と苦しみ悲しみが
北条さんを囲んでいるのが写っている···
まるで今にも北条さんを殺さんばかりのモノ、悲しげにすり寄り、愛情を訴えるモノ·····
そうですか····
わ、私には·····
それは···もう··、最悪な惨劇しか写っていませんが··
っ！！！！？
