第12話「不安」
文字数 1,372文字
－PM2時50分－
《二ツ神駅周辺》
ご、ごめん二人とも···
私、もう行かなきゃ··
っ！！！
·········
····ﾁｯ
···ねぇいろは、私ね
いろはに話したい事があるの··
え···？
何··？
う～ん··
こんな所じゃ話したくないわ···
············？
で、でも···
だから、今晩二人だけで会いましょう？夜の９時にここで待ってるから！
··········
それじゃ、絶対来てよね！
行きましょ歩夢くん！
····えっ、でも··
いろは····っ
····何かを言いかけた歩夢を怜奈は無理やり引っ張って行ってしまった··
·······ふぅ
····あの女
え····？
いや、何でもねぇ
にゃーーーん
あぁ？
やあ、ようやく見つけた
っ！！！
ね、猫が喋ってる···
猫は喋るものだよ
え·····っ？！
(そ、そうだっけ？！)
こんな昼間っから猫型で普通に喋ってんじゃねぇ
また、人間共に捕まんぞ
·····そうだね、気を付けよう
ぼわんっ
ホシ猫さんっ？！
やあ、いろは
元気がないようだけど大丈夫かい？
あ···、だ、大丈夫です··
で、何か情報はあったのか？
『人魚』に関しては、ハッキリした情報は得られなかったよ
···そうか、
まぁ、そうだろうな···
でも、いろはを暫く匿ってくれる場所は見つけた
っ！！
っ！！
夜叉丸はこれから先、自分の旅にいろはを連れて行くつもりなんだろう？
·········
え····
でも最近の都内は何故か鬼の生息数が多いようだからね、暫くは滞在するつもりなんだろうと思ったんだ
だから、その間はホシ猫の旧友にいろはを預けようと思ってね
···まあ、別に構わねえが
鬼狩りにはコイツも連れて行くからな
····えっ？！
で、でも···私なんて居たら邪魔にしかならないんじゃ··
ああ、邪魔にしかならねぇのは確かだ···だが、てめぇはオトリになる。鬼を誘き寄せる為の餌だ
····エサ
ｻｧ――――――··
まぁ、そんなに青くなる必要もねえだろ。どうせ巻き込まれても死なねえんだからな
(次も生きていられる保証なんて何処にあるの···？？)
それじゃあ、決まりと言うことで
早速ホシ猫の旧友の所に案内するよ
－二ツ神駅前－
《黒猫マート》
お、いらっしゃい
··········
こんにちは佐助
ホシ猫のお友達を連れてきたよ
は···っ、初めまして！
姫城いろはと申します！
はいはい～、これまた可愛いお嬢さんが来てくれたねぇ
···········
おや、君は彼女達の保護者かな？
両手に花で羨ましいなぁ～
あぁ？！
何処に女がいるんだよ？！
なんと！俺には二人とも女性に見えたんだけどなぁ～
そこに居るのは、メス猫一匹と未知の生物一体だ！
····なるほど
(未知の生物一体って、まさか私のこと？！)
·······
···どうでも良いが、口のきき方に気を付けろよ貴様
あ？
んだとテメェ···っ
ちょっ、やめなさいっ
此処ではみんな仲良くすること！
その通りだよ夜叉丸
今のは君が悪いね、佐助はとても良い人なんだ
ﾁｯ
(····ここの人達は、彼らが人間じゃないって知っているのかな··？)
これまでの話の流れでは、こちらのお二方にお世話になるのだろうけど··
大丈夫かな···
イケメン同士って馬が合わないものだったりして···
とにかく、御迷惑をかけないように気を付けないと···
