第5話「惨殺」
文字数 1,228文字
-14年前-
-PM8時40分-
《鬼束屋敷》
と、その時だった――――――
ズル―··ッ ズルズルズル···
鬼になった男の手のひらから何か··、血の様なモノが刀の形を成しながらズルズルと這い出てきている
正直気持ちが悪い···
血の刀は、アイツの手のひらから出ると、完全に刃物と化していた
ヤツがそう言うと、凄まじい早さで血の刀を振り回し、全ての空間を切り裂いた
それはまさに一瞬だった
私には何が起きたのか分からない程にあっという間の出来事で···
··今は何故か鬼も屋敷もグルグルと回っている···
あ····、いや·····
これってもしかして···
私の方がグルグル回っているんじゃない?
な···に····?
今のは····昔の私·····?
お婆ちゃん·····
花梨·····
私は···、まだ生きていたかった
花梨を助けて、いつも通りに家に帰ってお婆ちゃんとお祖父ちゃんといつも通りに暮らすの·····
でも、ご免なさい···
私はきっと···
ここで死ぬんだわ···
あいつ·····!
いつか呪い出てやるんだから···
ゴトンッッッ
ゴロゴロゴロ―――···