第87話「豹変」
文字数 1,159文字
ーPM10時50分ー
《神境二番通り》
········
···ふ、俺は君の様な無礼な男には会ったことなんて無いけどな
ああ？！テメェ···、今更誤魔化そうとかしてんじゃねぇぞ？！
····？？
や、夜叉丸···
とにかくさぁ、今の俺は君じゃなくて、いろはちゃんに用があるんだよね
さっさと家に帰って同居人に飯でも作ってもらえば？
·······
何だと···っ
と、その時割って入ってきたのは··
あー、やっぱりこの辺にいた
っ！！！！
ほ、ホシ猫さんっ！
っ！！
まったく、いつまでこの踏切に滞在するつもりなんだい夜叉丸
···って、あれ？
踏切が無くなっているね
ホシ猫！いいトコに来たじゃねえか！
······
え、何か嫌な予感がするな
ホシ猫さん····
（お願いっ！ここに居て··！）
あ、いろは！
君もここにいたんだね？今日は少し早かったんだ····
ホシ猫！！
····一体なんなんだ夜叉丸
········
こいつを見ろ！！！
··············
·····ああ、
いろはのバイト先の店長さん··だね
こいつには昔に会った事があるはずだぜ？！
あ、それなら···
いや、確かホシ猫はあの時猫だったようなｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ
······？？
夜叉丸は何が言いたいんだろう？
確かにホシ猫さんもバイト先で同じような事を言っていたわ····。
ルカさんって何者··？
まさか···、ルカさんも鬼だったりして···
いや！いやいやいや！それだったら何故私に襲いかかってこないの？！
鬼なんて皆、人を喰う事しか考えてないんだから！
そこじゃねえよ！
···ん〜、ちょっと何を言っているのか分からないね
···ﾊｧ、ホントに何の話をしているのか全く分からないんだけど。
もういいかな？悪いけど少し急いで戻りたいんだ。
ああ？！テメェっっ正体表すまでは帰さねえぞ！！
ル、ルカさん····？
夜叉丸が豪語するのもまるで聞こえていないかのように、ルカさんは私の手を取った
····ｵﾛｵﾛ
じゃあ行こうか、いろはちゃん
俺の仲間たちも待っているんだ。
な、仲間···？
皆、君が戻るのを心待ちにしている
おいおいっ！！！
ふっっざけん····っ
ちょっと待ってくれるかい？
ホシ猫さん···っ
っ？！
いろはを何処に連れて行こうと言うんだい？まさか、ホシ猫達から引き離すつもりじゃないだろうね？
····そもそも、彼女は君たちと一緒にいるべき存在じゃないんだよ
へぇ···
なら、やはりいろはを喰うつもりなのかい？
っっ？！
っ！！！
···ふっ、俺は人を食べるような趣味はないよ？それに···、これは彼女自身が望んだ事なんだ
っ！！
···えっ？！
ちょっ、ちょっと待ってください！
私はそんな事····
·······
例え··、本当にそれをいろはが望んでいたとしても
っ！！
ホシ猫は絶対に許さない
