第92話「厄運」
文字数 1,064文字
《大町》
ホシ猫は、行き交う人々を興味津々で眺めながら人間観察をしていた
と、その時···
ホシ猫の視線の少し先の方に、しゃがんで泣きじゃくる子供がいた。
一体どうしたのかと興味本位で近づいて見ることにした。
ホシ猫は、興味本位で近づいた子供に対して急に面倒になると言う猫らしい性格である。
泣き止まない子供をほっといてUターンしようとしたその時···
子供はしっかとホシ猫の尻尾を掴んでいた。
ちょっとだけ気分の悪いホシ猫は自身の尻尾を引っ張ってみた。
しかし子供も負けてはいない。かなりの力で引っ張り返してきた。
このままでは尻尾が抜けてしまうんではないかと心配したホシ猫は仕方なく子供に声をかけることにした。
喋る猫に驚いた子供はさっきまでの事が嘘のように泣き止んでいた。
ホシ猫は全く興味がない