第132話「櫻井 鴒」
文字数 1,731文字
ーPM8時00分ー
《ネオン街―路地裏》
♬♪〜♪♪♪♬〜
···········
♪〜♬♪♪〜♬〜♪
···うるせぇなぁ―――
♬〜♪♪〜♬♪〜
····何だよ、こんな時に―――
♪♪♪♪♪♪〜
···マナーモードにしとくんだった
ピッ
！！！！！
っっやっと繋がった····
電話無視すんのやめてもらえますか？
····何なんだよ
今イイトコなんだけど
····何のですか？
お前にはまだ早い事だよ
····俺のこと何歳だと思ってんですか？
ハァ〜····っ
今仕事中なの！
だったらその仕事、あと3分で終わらせて黒猫マートに来てください
···········
はぁっ？！？！
急を要する大案件が入りました
鴒(レイ)さんの力が必要なんです
いやっ、ちょっと待て！！
あと3分でとか意味わか―――――
それでは待ってますので30分以内に来てください
――――ピッ――――
っ！！！！？
·········
····あ、あいつ
いつからこんな強引グマイウェイになったんだ
昔は天使のように可愛かったのに···
·········
あと30分かよぉ――――
ーPM8時30分ー
《黒崎家》
···オーマのイトコはホントに来んのか？
うーん、まぁ見た目はチャラいけど根は真面目だから
またしても俺の子孫か···
何か嬉しいなぁ〜
···だが、グズグズしてらんねぇぞ？ソイツ大丈夫なのかよ
········
ま、今のとこ大丈夫そうだから大丈夫だろ？
テキトーだね
そう話していた時――――――
―――――ピンポーン―――――
っ！！！！
来たっ！！
ﾜｸﾜｸ
········
今日もよくお客さんが来る日だね。
はーい！
ガチャ――――
こ、今晩は――――··
おお！鴒くん！！
久しぶりだねぇ！
レイさん！！
遅いじゃないですか！！！待ってたんですよ？！
こ、これでも相当急いで―――――ってか、時間通りじゃねぇか！！
···ホントにスミマセン無理言って
···一体なんなんだよ
まぁまぁ、取り敢えず上がって上がって
あ···、お邪魔します！
《リビング》
············
···········
·········
·········
(な、何だ···この空気は··)
···ね、ネコさん
かわ···っ可愛いッスね···
········
··········
コニチハ
っ！！！！？
へぇー、ナルホド···
思ったよりも腕は良さそうだな
そりゃあもう、レイさんは叔父さん譲りの凄腕だよ！
ちょ、ちょっと状況が全く読めないんだけど――――
逢馬のお友達か···？
え、いや···あの···
逢馬····
お友達はちゃんと選ぶんだぞ？
えーっと····
はい···
はい···
じゃねぇだろ！！つかお友達でもねぇし！！
····レイ
っっ？！
おにぎり·····
···おにぎり！？
なんだ！どうした？！腹減ってんのか？！
·········
君は驚かないんだね···
···いや、猫からおにぎり出て来てメチャクチャ驚いてるぞ？
うん、まぁ
そこじゃないんだけども
喋る猫なら他にも黒い奴がいるだろ？それに、本当は直ぐに分かってたよ？
ホントかなぁ
ﾆｺﾆｺﾆｺﾆｺ
えーっと····
それで一体俺に何の用なんだ？
単刀直入に言うぜ
これから鬼の世に潜入して鬼族を殲滅させる予定だ
··············
···ちょっとゴメン
俺、急に日本語が分からなくなってる
·········
逢馬、翻訳してくれるか？
···鬼の世に行きます
·········
ふーむ··· え、いや、え？
何で？
今回のミッションは鬼の世に連れ去られた女のコを奪還するのがメインです
なので、鬼族殲滅については状況次第かなと――――
何その少年漫画的展開···
君がそれを言うのかい？
え？！俺はこんな仕事してるけどカナリの現実主義だぞ？！
トニカク、早く行かないといろはが心配だよ
···俺の意見はスルー―――か··
注:ホシ猫は基本的な部分が猫である
よし！
そんじゃあ向かうぜ！
こうして強制収容された新メンバーを迎え、夜叉丸一行はいろは奪還の為に鬼の世へ向かう事となった
―――総勢6名―――
夜叉丸(半鬼)
逢馬(人)
玄宥(真那)(仏)
黒鉄(猫又)
鴒(人)
ホシ猫(仙狸)
···6名って···
少なくない？
