第76話「開かずの踏切」
文字数 941文字
ーPM4時50分ー
《神境二番通り》
カンカンカンカンカン――――――
カンカンカンカンカン―――――――
ここは神堺町(かんざかいちょう)にある二番通りと言う場所だ。
夜叉丸は進捗の進まない、いろはの正体と人魚について毎日探って町中を歩き回っていた。(ついでに鬼狩り)
そんな中、たまたま通り掛かった踏切····。
本当はこの先へ進みたい。
だが踏切は、電車が来る気配が全く無いのにも関わらず遮断機は下ったまま、ずっとカンカンと煩い音を鳴らしているだけだった。
開かずの踏切前で暫く突っ立っていた夜叉丸を見兼ねてか、見知らぬ少女が声をかけてきた。
相変わらず素っ気ない返事だけをして、結局そのまま踏切の前から動こうとしない夜叉丸に少女は更に食い付く
そして夜叉丸は、それ以上喋るのをやめた
それから夜叉丸は、暫く踏切を見つめたまま、それ以上少女と話をすることも、かと言ってその場から動く事もなく、またしても暫く開かずの踏切前に突っ立ったままだった