第165話「ホシ猫の心づもり」
文字数 2,677文字
《黒崎家》
レイさん··、私なんかの為に鬼の世にまで来てくださり本当に有難う御座いました
ジ―――――――
お姫さんのお顔も拝見出来たしな
鬼狩りの所持なんだろー？ま、いつ現れるかなんて分かりゃしねえがな
体調はどうだ？
「可愛い俺の子供たち、困った時はいつでも相談しておいで」····と
あの後―――
孔雀明王は夜叉丸を連れて消え去ってしまった···
全ての審判を終了させた事で役目は果たしたと言う事なのだろう
··そして、カルラを失った鬼の世は不安定となり崩壊を始めた――――
オーマ達は玄宥に導かれながら何とか鬼の世を抜け出し、再び人の世に戻ってきたのだった
よく戻ってきたね！お腹減っただろう？ご飯、沢山作ったから食べてね！
スミマセン、陵さん····
レイ君、もしかして帰るのかい？
実はまだまだ依頼が残ってて、すぐに戻らないといけないんです
レイさんっ！忙しい時に無理なお願いをしてすみませんでした！
逢馬、お前の頼み事をこの俺が断る訳ないだろ？気にすんな
何だよ黒鉄
そんじゃまた近い内に来るよ
そう言うとレイは颯爽と帰って行った―――――
そう言えばホシ猫ちゃんは···？
《星座の森》
星の美しさも川の水の透明度も変わっていない····
ホシ猫―――――
悪かったよ··、会いに来るのが遅くなったな
ホシ猫には分かるんだ··、あの時ジジイはあの世の向こう側に行くって言ってた
何故、あの時代に辿り着いてしまったのかな？
俺自身もよく分からねえが···
あのとき俺は、仕事中にヘマをして超級百鬼に精神の半分以上を喰われたんだ。そのせいでずっと意識が戻らない状態だった――――
ライフラインも何も無い世界に急に放り出されたんだからな
そうか···？
ホシ猫を見つけてくれて、拾ってくれて有難う···
死に追いやってしまってゴメンナサイ
それだけが言いたかった···
そう言うと、レイはおもむろにホシ猫の頭や顔をワシワシと撫でた―――――
礼を言うのは俺の方なんだよ
ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ―――
もし、ホシ猫が嫌じゃなかったら··
まぁ〜····、また先に俺が死ぬと思うけどな
え、えっ、でも····、ホシ猫は―――――
それは大丈夫だ！
俺様から吸ってりゃ何の問題もねえだろ！！！
