第175話「相変わらずな二人」
文字数 2,549文字
《近所の街路樹》
···今後の事？
ああ···
·····まだ決まって無いってのは色々あるけど、これから住む所とか、仕事用の事務所とかね
·····えっ？！
い、伊吹くん···
ご実家から出て行くのです··？
↑逢馬と真那は伊吹家に同居している
··········
いや···
俺だけっておかしくない？
·····え？！
···やっぱ真那にはハッキリ言わないと伝わらないなぁ···
？？
スミマセン···
俺さ、真那と結婚したい
·············
···ﾏﾅﾄｹｯｺﾝｼﾀｲ
マナとケッコンした······い
マナト結婚したい？！？！
マナ······
って私ですか？！
···他に誰がいるんだよ
············っ！
····真那は？
わっ、わわわっ私は――――っ
···やっぱ俺じゃ嫌かな？
えっ？！
いや·····っあの―――っ
···俺、昔は真那に結構酷い事してたしな···、弱み握って、こき使って、荷物持たせて····
·············
口寄せした後に爆睡したお前をベッドに寝かせて、こっそり添い寝したりとか――――
高校生の頃の話をしています↑
·····ｶｧｧｧ
···あぁ、真那が一人暮らしなのを良いことに押しかけてわざと眼鏡外させて、お前の反応見てニヤニヤしたり···
っ！！
更にはそのまま押し倒して、お前が焦るのを見て可愛いなぁとか思ったり
ちょっ、ちょっと！！！！
もうやめて貰ってもいいですか？！
こんな俺じゃぁ真那は嫌だよね···
全っ然そんな事思っていませんよね？！ドSなんですか伊吹くんは！！
ぷぷ
·····もう！何なの！
········
··好きだよ真那。俺と結婚して？
っっ！！！！！
そう言うと逢馬は真那の頬に手を添え、優しく撫でた―――――
ｽﾘｽﾘｽﾘｽﾘｽﾘｽﾘ
ちょ――――っ
ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
ちょ···っと！そんなにゴシゴシしたらほっぺに火が付きますよ！！
···だって、可愛いから――――
っっ！！！！！
な、何か····
伊吹くん··毒、盛られてません？
····盛られてない！
········
···そんな事よりさぁ
返事は？
っ！！！！
伊吹くんは···、昔から全然変わりませんよね――――
っ？！
こんな···、プ、プロポーズの場でも余裕過ぎて···、私の返事なんて必要ないくらい――――確信しているのではないですか···？
···········
···そう見える？
···むしろそのようにしか見えません
···あ〜···
それは違うと思うけどなぁ？
···え
···本当は余裕なんてこれっぽっちも無くて、実は今でもドキドキしてる
··········
今までずっと真那が俺と一緒に居てくれたからって結婚してくれるとは限らないだろ···
っ！！
昔、同じ大学の女友達に言われたことがあるんだけどさ――――
おっ、女友達っ？！
↑大学は別々な為、その頃の話はあまりして貰えた事がない
その女友達に、もし俺と付き合っても絶対に続かないって言われた
···何故ですか？
普段から何を考えてるのか分からない。不安になり過ぎて無理。遊ばれている気になる。好きじゃなくても付き合いそう····等々
っ！！！！！！！w
···だから、お前に相当同情してたぞ、あいつら
何ですかそれ！！
伊吹くんを信じてないだけじゃないですか！！同情される言われはありませんよ！！
っ！！！
······あ〜
····え？
だから好きなんだよ···
っ！！！
·········
伊吹くんがそんなに····、その、す、好き···とか言うの珍しいですね··
え？
そうだっけ？
もしかして自覚無いです？むしろ言われた記憶が殆ど無いのですが···
···あ〜
真那の顔を見る度に、可愛いとか好きだなぁとか思ってたから言った気になってたかも？
っ！！！！？
···不安だったか？
····いいえ
ほんと？
本当です――――
そんなの···慣れっこですから
····そっか
···ま、まぁ、確かに？伊吹くんの女友達の言う通り、伊吹くんのお相手を平気で出来るのは私だけでしょうね！
っ！！！
普通の女性ならばヤキモチ妬きすぎて、毎日ケンカになるであろう事は容易に想像できますし！
·····っ？！
···········
···だったら何で真那は妬かないんだよ···？
わ、私は···その··
··ヤキモチなんて妬くほど、伊吹くんとは釣り合っていないとずっと思っていましたので····
·······それって
今でも？
い、今は―――――
違いますけども···
··········
俺は――――
·····？
妬いてばっかだったけどな··
··········え？
だ、誰に···です？
············黒鉄
···············
何故っっ？！？！
···真那は気付いてないかもだけど、黒鉄は真那を相当気に入っているんだよ
え〜···
何でだろ···？
前にさ、真那が悪霊に取り憑かれたあと熱出して寒いからって猫を抱き枕にして寝ていた事覚えてる？
あ、はい···
猫型の黒鉄さんに抱き枕になって頂いた事はありますね
そん時さ、お祓い場所が温泉だったし、俺が風呂から上がって部屋に戻ったら黒鉄のやつ····
人型で真那と添い寝してたんだよ··しかも腕枕したくらいにしてな
ええっっ？！？！
(知らなかった···！)
あの時はサスガに殺意が芽生えたぜ
な、何か···スミマセン··
まぁ··、それだけじゃなくて
他にも色々あったけど――――
真那はさ、自分の魅力に気付いて無いから厄介なんだよ。人からも人外からも狙われてる事を自覚してくれ
はい···
申し訳ありません
って事だから、他の男には隙を見せない。優しくしない。近寄らない。
··········
いいか？
····ぷっ
·······なに？
いえ···
それがプロポーズの返事を待っている人の態度なのかなって思って····
っ！！
······わ、悪かったな
······いえ
そんな伊吹くんが好きですから
全て了解です
っ！！
····全てって何？
えっ
俺バカだからその辺詳しく聞かないと分かんないなぁ
えっ、ちょ····っ
なぁ？
何が了解なの？真那の口から教えてよ
そ、そそっそれは···！！
さっき伊吹くんが言ってたことで―――――
いや、分っかんねぇ
俺そんな事言った？
んな―――――っっ
この後も二人のイチャコラが暫く続くだけのお話なのでカットしました
