第91話「出会い」
文字数 1,159文字
《大町》
ザワザワ
ガヤガヤ――
可愛いカンザシあるよ!寄って行きなー!!
反物いがですかぁ?
今しがた取ってきた魚だ!!どうだい?!新鮮だよ!買ってかねぇかー?!
ホシ猫は好奇心大勢だ、今日は念願の大町に遊びに来ていた。
本当はもっと早く人が沢山いる町に行ってみたかった。
深緑の森しか知らないホシ猫にとって、大きくて活気溢れた町はとても魅力的だった。
その時だった····
ドンッ
痛って····っ
そのまま男は去って行った。
そう言って、もう一人の男も去って行った。
ホシ猫がそう思った瞬間、ヒョイッと体が持ち上げられ胸から下がブラーンと中に浮いていた。
そして女のコはホシ猫をそのまま両腕に包み、ホシ猫の顔にスリスリグリグリくんくんしまくっている···。
ホシ猫はボー然としながら思考停止していた。
この人間は何をやっているのだろうか?
何故こんなにも顔を擦りつけてくるのか?
やっぱり人間とは謎な生き物だなぁと心底思うのだった。