第79話「開かずの踏切 真相2」

文字数 1,751文字








        ーPM6時05分ー


         《神境二番通り》



カンカンカンカンカン―――――




そうしてお付き合いを始めたお二人でしたが、内容にもあったようにタケルはそもそも軽い男子です。
ホノカと付き合う事にしたとは言え、タケルには他にも付き合っている女性が3名程いる事をお忘れなく。
はっ、羨ましいぜ

そんなにモテてみてぇな

俺は嫌だなあ···
おや、何故です?
いや、普通に疲れんだろ。

体力使いそうだし、ラインとかしたら名前間違える自信すげぇある。

中々、不器用なんだなお前
ふふ、安心したです。それでは続けますね。



タケルの本性を知らず付き合い続けるホノカだったが、その間もタケルは他3名の女子(+α)ともイチャコラを続けていた。


合計4名(+α)の女子と付き合っているタケルはかなりの手練と呼んでも過言ではない。


だが、タケルからすれば全員愛すべき女性達であり、遊び感覚で付き合っているつもりはないのだ。

かと言って一人の女性だけで満足できる質でもなかった。


しかしながら、タケル本人の気持ちなんて知ったこっちゃなく世間ではそう言う男子は普通に叩かれる世の中である事は言うまでもないので、良い子の皆様は真似されませんように。




そして、お二人が付き合い出してから、半年後に事件は起きました。



なんと、わずか半年後にタケルは今までに出会ったことの無いような女性との出会いを果たすことになる。


これまでのタケルからは考えられない衝動を起こさせるほど、魅力的な彼女に首ったけ(死語)になってしまうのだった。




どんな衝動なんだ?
その魅力的な彼女以外の女性など目にも入らなくなり、他全ての女性との縁を完全に切る、と言った衝動です
まぁ、いい事なんだろうけど、ホノカはちょっと可哀想だな
···········
ええ、まさにそれが今回の開かずの踏切の根本的な原因なのです。
·········




その後、直ぐにホノカにも別れたい旨を伝えたタケルだったが、ホノカは納得出来るはずもなかった。


ホノカにとったら、初恋の相手が初めての恋人だったのだから当然である。


ホノカの、タケルに対する愛の大きさは自称、海よりも空よりも大きいのだ。

タケルと別れるイメージなど微塵も無い。


この前二人でデートした時はあんなに楽しそうにしていたのに、どうして急にそんな事を言い出すのかとホノカは現実を受け入れられなかった。





ですが、タケルの決意は固く、ホノカの熱い想いは届かないまま強制的に二人の関係は終息して行きました。



そんな現実を受け入れられる筈もなく、ホノカは毎日のように泣き続ける事しかできなかった。


タケルと幼馴染みのホノカは、学校ではどうしても会ってしまうため、気持ちの整理をつける事が出来ない。


せめて、家の外では姿を見ないようにするのが精一杯だった。




しかし、そんな状況下で最悪のタイミングが起きてしまいました。
最悪のタイミング?
ええ、たまたまホノカがこの踏切を通ろうとしていた時、自分の目の前をタケルが歩いていたのです。
それが何で最悪なんだ?
それは、踏切の向こう側にはタケルが首ったけ(死語)の女性がタケルに手を振っていたからです。
鉢合わせって奴か···
そんなものを目の前で見せ付けられてしまったホノカは咄嗟にタケルに声をかけました。



ホノカ「タケルっ!!!」


タケル「···えっ?!ホノカ···?」


ホノカ「タケル、私を簡単に捨てて、あの人と付き合っているの?!」


タケル「ごめんホノカ··、俺はもうあの子以外の女のコを見る事が出来ないんだ。」


ホノカ「っっっ?!」



それでも食い下がるホノカに対してタケルは少し冷たくあしらい、ホノカに掴まれていた腕を払い除けてしまった。


タケルのその行為に、ショックと悲しみと怒りの感情が一気に湧き上がり、激昂してしまったホノカは···




お二人が踏切前で口論していたまさにその時でした。
踏切の遮断機が下がり、特急列車が通過しようとしていたのです。



その瞬間ホノカの頭の中には、あんな何処の誰かも分からない女に取られるくらいならばいっその事殺してやろう。


と言う思考で埋め尽くされていた···





そしてその後ホノカは····

 お察しの通り、特急列車が通る直前にタケルを踏切内へおもいっきり押し込むと言う罪を犯してしまいました。

っっ!!!!
·········
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登場人物紹介

名前 姫城 いろは(ひめぎいろは)

年齢 20歳

職業 大学生


都内ではあるが、県境で沿岸にある集落出身。その集落には毎年行われる豊年祭があるが今年は何故かその豊年祭にいろはが招待を受ける····

名前 姫城 花梨(ひめぎかりん)

年齢 20歳

職業 大学生


いろはの従姉妹

いろはのご近所に住んでいて、小さい頃から姉妹のように育ってきた。いろはにとって大切な存在。

名前 夜叉丸(やしゃまる)

年齢 不明

職業 不明


謎だらけの青年

名前 ホシ猫

年齢 不明

種類 妖怪


妖猫『仙狸(センリ)』人型バージョン

化け猫の類い。人の精気を喰らう必要があるため、死にたくても死ねない夜叉丸の側で精気を拝借している。

名前 黒鉄(くろがね) 

年齢 656歳

種類 妖怪


妖怪『猫又』の人型バージョン

巷では有名な超級百鬼。飼い主の「黒崎陵」とは600年前の記憶を共有しており、唯一無二の存在。当時の二人の事情は『百鬼夜行』に記されている。

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)

年齢 60歳

職業 「黒猫マート」の店長


黒鉄の飼い主

24Hコンビニ「黒猫マート」の店長で、黒鉄の飼い主。迷い猫を保護し育てている。黒鉄とは600年前の記憶を共有しているため、黒鉄からは昔の名前「佐助」で呼ばれている。

名前 如月 歩夢(きさらぎあゆむ)

年齢 20歳

職業 大学生


いろはの元彼

いろはと同じ大学に通う元恋人。色々あったが結局は今でもいろはの事を引きずっている。

名前 佐伯 怜奈(さえきれな)

年齢 21歳

職業 大学生


いろはの元親友

昔はいろはと仲が良かったらしいが、いろはへの嫉妬心が強いため何かと嫌がらせをしてくる性悪女。

名前 新羅 咲哉(しんらさくや)

年齢 20歳

職業 大学生


如月 歩夢の友人

掴み所のない性格だが、何故か女の子からはモテる。たまに闇が垣間見える事があるため歩夢は少し警戒している。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

種類 妖怪


妖怪『九尾の狐』の人型バージョン

狐の姿になる事は殆んど無い。

大昔に人から命を救われている為、人を襲わず同族を食糧としている。大食間であり、その力は脅威と言われている。

名前 北条 莉桜(ほうじょうりお)

年齢 25歳

職業 図書館勤務(公務員)


温厚で優しい口調が相手に好印象を与えているが、実際は周りの事や人に興味がなく、相手がどう感じようと全く構わないタイプ。だがやっぱり優しいのでモテている。

名前 伊吹 逢馬(いぶきおうま)

年齢 24歳

職業 祓い屋&心理学者


両親が極度な霊感体質であり、自らも見事に受け継いだ為、祓い屋家業を営んでいる。大学では心理学を専攻していたのでたまに心理学者としての仕事もしつつ生計を立てている。未だに独身。

名前 十朱 真那(とあけまな)

年齢 24歳

職業 管理栄養士&イタコ


本業は管理栄養士だが、今では貴重な存在である「イタコ」の後継者。本人はイタコであることが嫌な為、実家を継ぐのを放棄して伊吹家に居候している。その代わりに逢馬の仕事を手伝わされて結局イタコをやる羽目になっている。

名前 比企 夜叉丸(ひがやしゃまる)

年齢 10歳

職業 人斬り一家


約700年前、まだ人だった頃の夜叉丸。

親に捨てられ死ぬ間際に比企家の頭首である藤治(とうじ)に拾われ、人斬りとして育て上げられる。

名前 比企 藤治(ひがとうじ)

年齢 32歳

職業 人斬り一家


約700年前、死にかけていた夜叉丸を拾って人斬りとして育て上げるオッサン。

比企家の頭首にして凄腕の剣客。

名前 比企 氷月(ひがひづき)

年齢 10歳

職業 比企家の家事全般


比企家頭首である藤治の娘。

母親は既に他界しており、比企家に住む男共の面倒や家事など全てを担っている。

名前 比企 白夜(ひがびゃくや)

年齢 25歳

職業 人斬り一家


人斬り一家のリーダー的存在。比企家に住んでおり、戦では100人斬りを達成している剣客。左目は損傷し隻眼となっている。

名前 坂本 瑠迦(さかもとるか)

年齢 24歳

職業 調理師


いろはのバイト先である、古民家カフェのマスター。最初はせっかちで強引なイメージだったが、実は優しくて空気の読める爽やかなイケメン。野菜作りが趣味で自家製野菜を店で提供している。

名前 廃炉(はいろ)

あだ名 タマネギ

年齢 不詳

職業 カルラ様の側近


鬼族の頂点であるカルラの側近。真面目で忠実な性格だが、人をおちょくった様な一面があり、いつもカルラに消されそうになっている。あだ名の由来はその性格がタマネギ部隊に似ているためだと言われている。

名前 廃炉(はいろ)

あだ名 タマネギ

etc


廃炉の人型バージョン。趣味が中々良いためイケメンになるが、その性格は変わらない。

名前 迦楼羅(かるら)

年齢 不詳

職業 鬼族の長


全ての鬼をまとめる鬼族と言う貴族の頂点。しかし自分の一族である鬼族にも殆んど興味がないため、鬼狩りに仲間を狩られても面倒くさい程度にしか思っていない。取り巻きにどやされて仕方なく鬼狩りを追い払っている。

名前 姫城 奈瑞菜(ひめぎなずな)

年齢 23歳

職業 料理人


200年程前の時代の中、カルラと出会う女料理人。見た目はとても可憐たが過去の経緯から極度の男性不信。しかし惚れっぽいため、いつも簡単に騙されてしまうようなちょと残念な女性。

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