第136話「いろはの人格」
文字数 1,170文字
《春の霞―朧》
この場所は「春の霞―朧」、春の闇の最深部に存在する場所だ
カルラはこの場所から鬼狩り一行の動きを透視していた―――
カルラといろはを見付けたホシ猫は、草陰から様子を伺っている
怒りが沸々と沸き上がるホシ猫は、カルラといろはの前に出ていく事を決意した
コポコポコポ――――――
····不老不死になってからよく見る夢がある―――――
深い··深い··海の底に沈んでいく夢···
そうして私は少しづつ闇に餐(の)まれて死んでいく
···でも··、いずれまた生き返るんだ
それの繰り返し。
永遠にループする
···前に夜叉丸に聞いたことがある。
なぜ夜叉丸は寝ないのかって―――
そのとき夜叉丸は、昔の悪夢が永遠と繰り返されるから寝られない、と言っていた···
···今ならその気持ちが少し分かる気がする
あぁ――――、もう···何も聞こえない····
闇に侵食され始めているんだ··
私はまた死ぬのか―――――
でも···、何故だろう···
もう···戻れないような気がする
夜叉丸――――――
――――――会いたいな···
····あれ···········
夜叉丸···って――――
誰だったかなぁ··